研究分担者 |
山下 敬彦 岡山大学, 理学部, 助教授 (00032813)
高橋 信介 弘前大学, 理工学部, 助教授 (40216742)
山本 勲 岡山理科大学, 工学部, 教授 (50090220)
GALEOTTI Piero トリノ宇宙地球物理学研究所(イタリア), 教授
斎藤 勝彦 足利工業大学, 工学部, 助教授 (30118434)
|
研究概要 |
本研究はLVD[Large Volume Detector]実験とLMD[Large Massive particles Detector]実験から成るのでそれぞれ別個に実績の概要を記載する。1)LVD実験:大容積液体シンチレータ・タンクによるニュートリノ,ミューオン検出器である。第一期建設計画のタワー1は平成4年に完成し,データをその年の6月から取り続けている。世界最大の液体シンチレータであり,超新星爆発時に発生するニュートリノを最も効率よく,且つ精確に捉えることができる。平成9年からタワー2もデータが取れるようになった。さらに,タワー3の建設が始りつつある。超新星爆発は1987年以来観測されていないが,グランサッソー山上の空気シャワー観測装置の連動による実験結果から一次宇宙線の組成を知る等の結果を得ている。またミューオンの精確な深さ強度の測定結果はニュートリノ振動等の理論に貴重な基礎資料を与えた。測定容積が増したので,ニュートリノ,ミューオン物理の解析が可能になった。 2)LMD実験:超低速・超重粒子検出用熱ルミネッセンス・シートスタック[TLS]はTLシートと医療用X線フィルムを多数枚重ねたものからなる。通常の電離型放射線検出器では困難とされる超低速のGUTモノポールの検出ができる。モンブラン地下実験所での基礎測定を経て,バックグラウンドが十分ノーであるグランサッソー地下実験所にTLSを25平方メートル平成8年8月からLVDのタンクの上に敷き詰め,さらに5平方メートル平成9年9月より設置面積を増やしてた。平成9年9月には60平方メートル・年になるので超低速のGUTモノポールの検出が期待できる。特に低バックグラウンドで二重真空パックされているので、もし、モノポールが飛来してきた場合,確実に検証できる。平成10年3月1平方メートル分,地下ミューオン・核相互作用を調べるためTLSを現像した。その結果、TLSの内部真空度が保たれていたこと,核相互作用が調べられることが判った。
|