• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

CPとT対称性の破れとフレーパ-の物理

研究課題

研究課題/領域番号 08044089
研究機関広島大学

研究代表者

牟田 泰三  広島大学, 理学部, 教授 (80025353)

研究分担者 小平 治郎  広島大学, 理学部, 助教授 (40127080)
BRANCO G.C.  リスボン工科大学, 物理学科, 教授
REBELO M.N.  リスボン工科大学, 物理学科, 助教授
両角 卓也  広島大学, 理学部, 助手 (20253049)
林 青司  神戸大学, 理学部, 教授 (80201870)
大野木 哲也  広島大学, 理学部, 助手 (70211802)
キーワードクオーク質量 / フレーバー混合 / シ-ソ-機構 / CPの破れ / トップクオーク / FCNC / 小林、益川角
研究概要

今年度は、クオーク質量階層性とフレーバー混合の起源に関して、標準理論を越える理論に基づいて研究を行った。研究の目的は、標準模型に比べてクオーク質量階層性を自然に導く模型を考え、その模型におけるフレーバー混合とCP対称性の破れの起源を研究することにある。具体的には、クオーク質量のうちトップクオークを除く5つのクオークが電弱相互作用の破れのスケール(約10GeV)より軽いことに注目し、これを自然に導く機構としてシ-ソ-機構に注目した。この機構によると、軽いクオークの質量の起源は、もともと質量が零のクオークが中間状態にある重いクオークと混合することで、重いクオークの質量の逆数に比例する小さな質量をもつと説明される。シ-ソ-機構が働くには、標準模型をさらに拡張したゲージ対称性ヒッグス、フェルミオンセクターを持つ理論を考察する必要がある。我々は、SU(2)_L×SU(2)_R×U(1)のゲージ群に、シ-ソ-機構を働かせるために必要な重いクオークとSU(2)_Rの対称性を破るのに必要な新たなヒッグズ粒子を加えた理論に基づいて、トップクオークも含む6つのクオークの質量階層性とフレーバー混合を解析し、
・軽いクオークだけでなくトップクオークもこの理論で統一して扱えること、
・フレーバー混合があっても質量階層性が得られること、
を示した。関連する研究として、重いパリオンの崩壊のダイナミックスをBS方程式に基づいて調べ、その機構を解明した。これらの研究の今後の課題は、次の通りである。
1.この模型の現象論、特にトップクオーク対生成やFCNCプロセスにおいて模型の兆候が見える可能性があるのでこれらを統一的に調べる。
2.1と関連してこの模型におけるフレーバー混合=小林、益川角の特色、特に、CP対称性の破れとしての位相の起源の研究を行う。
3.統一理論(ゲージ群及びクオーク、レプトンの統一)および、複合ヒッグス理論の枠組で模型を展開し、それに基づいて、バリオン数生成問題の検討を行う。

  • 研究成果

    (14件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (14件)

  • [文献書誌] T.Inagaki: "Exact Solution of the Equation for Spinor Two-Point Functions in Einstein Universe" Prog.Theor.Phys.96・4. 847-852 (1996)

  • [文献書誌] T.Inagaki: "Curvature Induced Dynamical Symmetry Restoration in Einstein Universee (R【cross product】S^D" Mod.Phys.Lett.A. 11.11. 939-948 (1996)

  • [文献書誌] X.-H.Guo: "B-S Equation Analysis of Heary Baryon Decays" Mod.Phys.Lett.A. 11.18. 1523-1528 (1996)

  • [文献書誌] X.-H.Guo: "Isgur-Wise Function for ∧_b→∧_c in the BS Approach" Phys.Rev.D. 54.7. 4629-4634 (1996)

  • [文献書誌] T.Inami: "Non-decoupling effects of heavy particles in triple gauge boson vertices" Phys.Lett.B. 381.4. 458-464 (1996)

  • [文献書誌] A.Ali: "Power Corrections in the dacay rate and distributions in B→Xsl^+1^- in the standard model" Physical Review D. 55(in press). (1997)

  • [文献書誌] B.Gough: "Effects of Improvement : F(PI) and M(Q)" Nuclear Physics B,Proceeding Supplement. 47. 333-335 (1996)

  • [文献書誌] T.Onogi: "The Light Quark Masses from Lattice Gauge Theory" Nuclear Physics B,Proceeding Supplement. (in press).

  • [文献書誌] H.Kawamura: "Renormalization of Twist-4b Operators in QCD Bjorken and Ellis-Jaffe Sum Rules" Modern Physics Letters A. (in press).

  • [文献書誌] J.Kodaira: "QCD Corrections to the Nucleon's Spin Structure Functiono g_2(x,Q^2)" Physics Letters B. 387・4. 855-860 (1996)

  • [文献書誌] W.Grimus: "Automorphisms in Gauge Theories and the Definition of CP and P" Physics Reports. (in press).

  • [文献書誌] G.C.Branco: "Relating the scalar flavour-changing neutral couplinjgs to the CKM matrix" Phys.Lett.B. 380・12. 119-126 (1996)

  • [文献書誌] G.C.Branco: "CP-violating abservables in tagged D^0/D^0 decays" Phys.Lett.B. 372.3,4. 311-316 (1996)

  • [文献書誌] G.C.Branco: "Rb and Rc Crisis and New Physics" Physical Reveiw D. 54・3. 2114-2117 (1996)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi