研究課題
我々は世界最高性能の大望遠鏡の性能を最大限発揮するために、高性能の観側装置、及び、その制御システム、得られたデータを処理・保管するデータ解折・アーカイブシステムの共同開発研究を進めてきた。ようやく当大望遠鏡の開発が、試験観測が可能な段階まで進んできたため、今年度は試験観測装置を望遠鏡に装備して実際の試験観測をおこなった。望遠鏡の様々な性能を評価するために、光学波長域で広視野の観側装置、赤外波長域の観測装置、望遠鏡の振動や大気揺らぎの影響を精密に測定するための画像の高速読出が可能な観測装置を用いた。これらの試験観測により、各波長における望遠鏡の空間分解能、視野による像の劣化の度合い、天体の追尾精度、等、が設計時の仕様を十分に満たしていて、、非常に高い基本比能を有していることが確認された。制御システムに関しても、観測手順、制御シーケンス等が確立されつつあり、システムを効率的に運用する目処が立ってきた。また、試験観測を通じて望遠鏡サイトにおける大気揺らぎ、気温、風向風速の変化などの情報が蓄積され、現在日本で開発中の大気揺らぎを補正して更なる高空間分解能観測を可能にする波面補償光学装置の基本制御パラメータへのフィードバックも進められている。更に、この試験観測により、現在未確認の天体や天文現象の発見等もなされてきており、望園鹿、観測装置、制御系すべてを含めたシステムとして世界でも最高クラスの基本性能を達成していることが確認された。
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