研究課題
国際学術研究
この研究計画では、シミュレーション手法・理論解析手法による、プラズマ系で生起する複雑現象の解明、他の自然科学の分野で個別に行われてきた複雑系に対する研究の成果や問題点の系統的分析・整理、複雑系に共通する普遍則の探求などの国際共同研究活動を行ってきた。得られた主な成果を以下に列記する。1)磁気流体ダイナモのシミュレーション研究では、双極子磁場構造の形成・維持機構を解明するとともに、磁場極性の逆転現象が突然発生することをはじめて実証した。2)磁気流体シミュレーションを用いた低ベータプラズマであるスフェロマックの合体実験により、高ベータプラズマである磁場逆転配位が形成されることを見出した。3)無衝突磁気リコネクションの粒子シミュレーション解析を行い、磁気リコネクションが2段階に発達すること、静電場の働きによりイオンの異常加熱が発生することを明らかにした。4)開放系で電気二重層の粒子シミュレーションを実行し、エントロピー排出機構が存在する系では、超イオン電気二重層と呼ばれる大きな秩序構造が形成されること、構造形成が間欠的かつ回帰的に発生することを明らかにした。5)ダストプラズマにおいて、ダイナミックな帯電過程を含む粒子シミュレーションを実行し、荷電状態のフリップフロップ現象の実証、微粒子の凝固条件の解明を行った。6)高温でランダムな高分子鎖が冷却される際に見られる配向秩序構造の形成過程を、分子動力学シミュレーションにより解明し、局所配向秩序クラスタが階段状に発展すること、最終的な秩序構造として6角柱結晶構造が形成されることを見出した。7)複雑プラズマ系を表現するための3次元仮想現実装置システムComple Xcopeを構築し、それを用いて複雑なヘリカル状プラズマ閉じ込め装置LHDでの磁場構造、圧力構造、粒子軌道等を立体表現するための可視化ツールの開発を行った。
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