研究課題/領域番号 |
08044110
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研究機関 | (財)基礎化学研究所 |
研究代表者 |
福井 謙一 基礎化学研究所, 所長 (40025739)
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研究分担者 |
ギャスパート ピエール ブリュッセル自由大学, 上級研究員
ハンギ ピーター アウグスブルク大学, 教授
コールソン ロブ ピッツバーグ大学, 助教授
田崎 秀一 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (10260150)
長岡 正隆 基礎化学研究所, 主任研究員 (50201679)
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キーワード | 量子拡散モデル / 非線形効果 / 量子カオス / 拡散過程 / 非可積分力学系 / 散逸過程 / 非平衡定常状態 / 緩和過程 |
研究概要 |
本国際共同研究では化学反応の多次元性に重点を置きながら、化学反応が、(a)時間に依存した量子動力学過程である事と、(b)非線形・非定常・非平衡過程である事、の2点に焦点を当てて研究を進めた。まず、(1)大自由度多体系である化学反応系を粗視化して捉えた理論モデルの構築と、(2)多次元系の化学反応理論に必要不可欠かつ有力な理論的手法の検討、を行なった。最終年度は、研究計画書並びに交付申請書記載の研究計画に沿って、以下の共同研究を進めた。 1、長岡は,平成9年6月9日から16日までピッツバーグ大学にてCoalson博士と多体系における経路積分法による化学反応論に関する共同研究を行った。また、Gaspard博士が平成10年1月15日から24日に基礎化学研究所を訪問した際に,量子拡散過程に関する波動関数アプローチ(量子状態拡散モデル)を用いて凝縮系の多自由度化学反応系への適用に関する共同研究を行なった。さらに、Hanggi教授が平成10年3月10日から22日まで来日した際に基礎化学研究所にて、多次元系のもつ非線形効果を少数自由度ハミルトニアンのポテンシャル揺らぎとして繰り込む物理的手法の開発とLangevin方程式に基礎をおく粗視化動力学による化学反応論についての共同研究を行なった。 2、田崎は、平成10年1月2日から12日までブリュッセル自由大学にてGaspard博士とHopf分岐の確率的扱いと「多重パイこね変換」とその変形版における非線形・非平衡定常状態と緩和モードなどに関する共同研究を行なった。
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