研究課題/領域番号 |
08044114
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
馬場 一隆 東北大学, 工学部, 助教授 (10192709)
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研究分担者 |
ハグランド Jr R.F ヴァンダービルト大学, 物理天文学科, 教授
松浦 祐司 東北大学, 工学部, 助教授 (10241530)
宮城 光信 東北大学, 工学部, 教授 (90006263)
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キーワード | ナノ微粒子 / 非線形光学効果 / 磁気光学効果 / 光学異方性 / 薄膜 / 島状金属薄膜 / 偏光子 / 光記録 |
研究概要 |
本研究の目的は、特異な光学的性質を示す金属、半導体等のナノ粒子を含有する誘電体媒質を用いて、例えば、新しいモノリシック光集積回路の構築法や高効率な各種光機能素子、光記録媒質等を実現するための基礎技術を開発することにある。本年度は特に、金属ナノ粒子による非線形光学効果、粒子形状の異方性による光学異方性の発現、磁性体の微粒子化による新しい半導体あるいは誘電体基板用の磁気光学媒質の開発、金属ナノ微粒子を用いた高効率光ディスク等の研究開発を行った。 非線形光学特性については、金属ナノ粒子密度が高い島状金属薄膜に着目して、試料を作製して共同研究先の米国ヴァンダービルト大学に測定評価を依頼し、従来の金属コロイドガラス等より強い3次の非線形光学効果の存在を確認した。また、引きのばし法により光学異方性を与えた島状銀薄膜を用いて、その非線形光学効果に異方性が存在することを初めて明らかにした。 また、島状金属薄膜の多層膜を引き延ばし処理することにより、大きな光学異方性を実現することに成功し、サブミクロオーダーの厚さの高い消光比を持った偏光フィルムを初めて実現した。磁性体微粒子については、鉄、ニッケル、YIG等の数十ナノメートルから数ミクロンの直径の粉末をフッ素樹脂中に分散させた媒質について理論的・実験的に検討を行い、ナノ微粒子分散媒質を用いて磁気光学デバイスをモノリシックな光集積回路として実現できる可能性を示すことができた。 また、追記型光ディスクについては、島状銀薄膜を用い、CD互換追記型光ディスク等に用いることができる高効率な光記録媒質の開発に成功した。
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