研究課題
「やわらかい分散システム」を実現するには、やわらかい情報ネットワークとこれを用いた分散マルチメディア知識ベースシステムの研究が必要である。やわらかい情報ネットワークでは、グループ通信、高速マルチメディア通信、モ-バイル通信の研究が重要であり、分散マルチメディア知識ベースシステムでは、分散協調システム、複数のマルチメディア知識ベースシステムの統合化、信頼性と安全性等についての研究が肝要となる。本研究では、以上の種々の分野の研究が必要であり、国内の研究者だけでなく海外の専門家も加えて総合的に調査研究を推進した。国内の分担研究者による成果としては、本概念に基づいて、やわらかい分散システムの基礎となる研究として、滝沢による複数のプロセス間での新しい通信としてグループ通信の結果が得られ、国際的に注目されている。また、やわらかい分散システムの情報ネットワークの通信の基礎となるマルチメディア通信については、ATMを用いた高速な通信方式とその応用について理論及び実験の両面から研究を推進した柴田が重要な結果を得ている。海外の分担者の成果としては、米国のLiuとGerlaが移動体通信のための新しいプロトコルを提案し実証実験を通してその有効性を示した。また、分散協調システムについては、オーストラリアのPapazoglouの協調方式に関する成果があり、分散協調システムに関する国際会議を主催する等により、この分野での研究をリ-ドしてきている。やわらかい分散システムでは、やわらかい情報システムにより相互接続された複数のマルチメディア知識ベースを共有できることが必要であり、英国のDeenがその効果的な方式を提案した。また、オーストリアのTjoaは、特にシステムの信頼性と安全性についての研究を進めており、これらの統一的な実現方式の成果を得ている。
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