研究分担者 |
崔 吉 吉林油田. 研究院, 工程師
洪 承燮 吉林油田. 研究院, 総工程師
季 華生 吉林油田. 研究院, 院長
周 受超 吉林油田, 管理局, 副総地質師
劉 躍宗 吉林油田, 管理局, 総地質師
須藤 孝一 東北大学, 工学部, 助手
木下 睦 東北大学, 工学部, 助手 (70261592)
井上 千弘 東北大学, 工学部, 助教授 (30271878)
榎本 兵治 東北大学, 工学部, 教授 (80005412)
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研究概要 |
本研究の目的は,中国吉林省油田においてMEOR(微生物攻法)を適用しその効果を実証することである。本年度はフィールドでの実証試験の準備段階として,試験に使用する細菌の分離・選抜とその特性の評価,試験に最適なフィールドの選定,並びに栄養源や油層水等の組成の把握を行い,以下の成果を得た。 1.日本国内各地の石油精製工場,油田周辺の土壌や中国吉林省油田の油層内,油田周辺の土壌から微生物を採取し,ガス生産能力,界面活性剤生産能力等の優れた細菌を分離した。 2.分離株のうち,特にガス生産能力の高い菌株の同定を行ったところ,Enterobacter属やBacillus属に分類される細菌が多かった。 3.これら単離株の中から,フィールドテストに用いる微生物として,Enterobacter cloacaeTRC-322株,Enterobacter cloacaeTU-7A株,Bacillus licheniformisTRC-18-2-a株等を選抜した。 4.これらの微生物を培養するための栄養源として有効なものの探索を行い,吉林省油田周辺で容易に入手できるモラセス(廃糖蜜)を見いだし,その詳細な成分分析を行った。 5.微生物培養におけるモラセスの最適濃度の検討を行い,4%程度の添加量で最適な効果が得られることを明らかにした。 6.油層水の化学分析を行うとともに,その成分と同じ組成の合成油層水を用いた微生物培養を行った結果,油層水中に含まれる成分で微生物培養に必要な微量元素はほぼ満たされるものの,微量のリン酸イオンを添加することによりさらに効果が増大した。 7.実験室において,模擬油層に微生物と培地を入れ培養を行った後に油を回収する実験を行い,最大16%の増油効果があることを確認した。 8.吉林油田内の各油層の詳細な評価を行い,単一坑井試験及びフラッディング試験用のフィールドとして扶余油田の東部2区域を選定した。
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