次世代マッピング技術による地熱貯留層の新たな理解

1997 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 08044117
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 新妻 弘明 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90108473)
• 研究分担者: 森谷 祐一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60261591) ; 浅沼 宏 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (50250717) ; BARIA Roy ソコミン, CECプロジェクト, 主任研究員 ; FEHLER Micha ニューメキシコ鉱山工科大学, 準教授
• キーワード: 超解像マッピング / AE / 地熱貯留層 / HDR / 3軸弾性波処理 / AEトモグラフィ / Sparseネットワーク / De-blurredマッピング

研究概要

今年度の研究実績は下記の通りである。
1.AE計測実験:フランスソルツフイールドでソコミン社と共同でAE計測実験を実施した。
2.次世代マッピング技術の開発
・少ない観測点での計測に関し、誤差の空間分布の評価とそれを低減させるためのマッピング法を検討した。
・不均質媒質中でのAEトモグラフィ法について、信号処理法を検討した。
AEにより貯留層内部の流体の挙動を推定可能であることを見いだした。また、貯留層内部に、透水性を有するもののAEのアクテイビティが低い部分が存在することを見いだし、AE発震効率と既存弱面の挙動の関係について検討を行なった。
・地下構造条件を導入したDe-blurredマッピング法についてその解析方法を検討した。
・3軸ダブルゾンデを用いたAE計測実験を行ない、本手法により直達波および反射波のようなコヒーレントな波の到来を検出可能であることを見いだした。
・3軸ドリルビットVSP法での3次元地下構造推定法および速度構造推定法を導出した。
・ウエーブレット変換を用いた反射波検出法を考案し、それをAE反射法に導入した。
3.フィールドデータの解析:ソルツ、フェントンヒル、八幡平の各フィールドデータを次世代マッピング法により解析し解析上の問題点を明らかにすると共に地下構造を推定した。
4.プロジェクト会議:平成9年11月および平成10年2月に仙台でプロジェクト会議を開催し、研究成果を総括すると共に今後の共同研究の立案を行なった。
以上のように、本年度は、当初の研究計画に添って研究を行ない、幾つかの具体的な成果を得ることができた。

研究成果

• [文献書誌] Soma, Niitsuma, Baria: "Estimation of deeper at the Soultz Hot Dry Rock field by means of reflection method using 3C AE as wave source" PAGEOPH. 150. 661-676 (1997)
• [文献書誌] Moriya, Niitsuma, Rutledge, Fehler: "Estimation of regional in-situ stress field controlling subsurface fracture system by using microseismic multiplets" Proceedings of the International Symposium on Rock Stress. 247-252 (1997)
• [文献書誌] Asanuma, Takayama, Niitsuma: "Discrimination of coherent waves by a downhole double three componet detector" SEG Expanded Abstracts. (発表予定). (1998)
• [文献書誌] Asanuma, Liu, Niitsuma, Baria: "Downhole multipoint measurement of SWD at Soultz and characterization of subsurface structure in the basement" SEG Expanded Abstracts. (発表予定). (1998)
• [文献書誌] 高山, 浅沼, Lesniak, 新妻: "坑井内3軸AEダブルゾンデシステムの開発と時間-周波数表現によるコヒーレント波の検出" 物理探査学会第96回学術講演会論文集. 39-43 (1997)
• [文献書誌] 浅沼, 高山, 新妻: "3軸ダブルゾンデによる坑井内AE計測と時間-周波数コヒーレンス解析による散乱波中の反射波検出" 第251回地質調査所研究発表会. (1997)