研究分担者 |
ユーリー ゲルフガード ラトビア科学アカデミー, 電磁流体力学研究所, 所長
ピンハス バーヨセフ イスラエル工科大学, テクニオン, 教授
アレクサンダー ゲルフガ イスラエル工科大学, テクニオン, 研究員
前川 透 東洋大学, 工学部, 教授 (40165634)
西尾 茂文 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (00111568)
|
研究概要 |
本国際学術研究は,日本(3人),イスラエル(2人),ラトビア(1人)の計6人の研究者グループによる共同研究であり,研究課題名のとおり先端材料製造プロセスにおける輸送過程(熱・物質移動)の能動的制御を研究目的とするものである.先端材料の開発が産業の発展にとってきわめて重要かつ不可欠であることは,日本でも外国でも同様である.本研究では,主として融液凝固による材料製造プロセスにおける流動および伝熱・物質移動を,電磁力等を用いて制御することによる製造技術の進展を通じて,工学・工業への寄与を目指した. 本年度の実績の概略は以下の通りである. 日本側の研究者は,単結晶材料およびアモルファス材料製造にかかわる融液凝固過程の解明と,電磁場による制御に関して研究を行った.融液の急冷凝固によるアモルファス材料製造に関しては,融液凝固時に形成される接触界線(凝固開始部と冷却壁との接触線)の不安定が急速凝固を妨げることから,その不安定発生のメカニズムおよび条件を実験・解析により解明した.また,結晶育成過程における熱・物質移動の電磁場による制御について解析を行い,EHD不安定の発生条件を明らかにした. イスラエルの研究者は,単結晶育成過程における容器(るつぼ)内融液の流動に関する数値シミュレーションを行い,結晶やるつぼの回転による強制流動と浮力による対流とが共存する場合に,流れが振動を起こす条件を明らかにした.ラトビアの研究者は,回転する磁場中に置かれた液体に作用する力および熱・物質移動について解析を行った. 日本およびイスラエルの研究者は,平成8年11月及び12月にそれぞれ相手国を訪問して研究施設を視察し,研究の進捗状況と今後の方針について意見交換を行った.また,ラトビアを含めた3か国の研究者は,随時E-メール・ファックス等により情報を交換した.
|