研究分担者 |
須藤 剣 日本学術振興会, 特別研究員
モルティエル ヘールト ゲント大学, 情報工学研究所, 助手
バーツ ルル ゲント大学, 情報工学研究所, 助教授
羅 毅 清華大学, 電子工程系, 教授
スミット マイント K デルフト工科大学, 電気工学科, 教授
コルドレン ラリーA. カリフォルニア大学, サイタバーバラ校・光エレクトロニクス技術センター, 所長教授
多田 邦雄 東京大学, 工学系研究科, 教授 (00010710)
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研究概要 |
1.利得結合計数の測定抽出:利得結合(GC)分布帰還型(DFB)半導体レーザの大きな問題点は,実素子における利得結合計数の測定法が欠如していたことである。本研究では,発振閾値に達する前のASE(amplified spontaneous emission)スペクトラムに理論スペクトラムをフィッティングする新しいパラメータ抽出法を確立し,利得結合係数の測定抽出を世界で始めて可能にした.これを用いて,吸収回折格子型GCDFBレーザで,利得結合係数が注入電流とともに変化するという理論的予測を,初めて実験的に証明した。2.小信号直接変調特性:GCDFBレーザの小信号高速直接変調特性は,吸収性回折格子の可飽和吸収に起因して,特異になることが予測される.本研究では,GCDFBレーザの小信号直接変調を実際に行い,緩和振動周波数と緩和振動ダンピングファクタを抽出した。その結果,GCDFBレーザのダンピングファクタは通常と異なり,光出力とともに低下する領域の存在することが確認された。これを利用すれば、小信号変調帯域を,通常のDFBレーザに比べ拡大することができる.3.アナログ変調歪み解析:サブキャリア多重(SCM)光ファイバ通信においては,変調特性に非常に厳しい線型性が要求される.本研究では,GCDFBレーザのアナログ変調歪みを理論解析し,同レーザでは空間ホールバーニングが小さいことに起因して,従来のDFBレーザに比べ2次高調波歪み,3次高調波歪みとも10dB程度低いことを明らかにした.4.その他の成果:上記以外に,1.55μm帯吸収性回折格子GCDFBレーザの開発,同レーザの反射戻り光誘起雑音の解析と評価,波長可変DFBC構造の検討,波長多重光通信に向けた発振波長トリミング概念の提案と実証,GCDFBレーザトライオードの試作,などを行って所期の成果を得た.
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