研究分担者 |
ASHWORTH Ste ケンブリッジ大学, 超電導学際研究センタ, 研究助手
CARDWELL Dav ケンブリッジ大学, 超電導学際研究センタ, 副研究部長
GLOWACKI Bar ケンブリッジ大学, 超電導学際研究センタ, 副研究部長
CAMPBELL Arc ケンブリッジ大学, 超電導学際研究センタ, 副所長
LIANG W.Yao ケンブリッジ大学, 超電導学際研究センタ, 所長
幸坂 紳 工業技術院電子技術研究所, 極限技術部, 部長
雨宮 尚之 横浜国立大学, 工学研究科, 助教授 (10222697)
塚本 修巳 横浜国立大学, 工学部, 教授 (30017975)
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研究概要 |
本年度は日本から英国に2名の研究者を派遣し,英国側からは2名の研究者が来日し,研究テーマに関するそれぞれの研究機関における研究活動の紹介と情報交換および討論を行った.これにより,研究の現状を把握し,研究方針を立てて研究を行った. 以下に本年度の研究成果を要約する. (1)超伝導テープ線材の交流損失の測定: 本年度はビスマス系(Bi2223およびBi2212)銀シース線材を主に日英双方で交流通電損失の測定を行った.測定方法は双方異なるが,結果はビーンモデルに基づき解析的に得られた損失計算式(Norrisによる式)と良く合うことは両者共一致した.日本側で行われた4.2Kおよび77KにおけるBi2212銀シース線材の通電損失測定の結果では温度領域が異なると損失特性が異なる傾向にあった.77Kでは測定結果はNorrisによる式と良く合ったが,4.2KではNorrisによる式とは乖離が大きかった.この理由については今後日英双方で研究をしていく予定である. (2)損失機構の解明: 高温超伝導線は金属低温超伝導線に比べn値 が小さく,電流を増やしていった時の超伝導から常電導への転移が暖やかである.これを考慮して交流損失の解析を行った.その結果,n値が小さくなると磁束が超伝導体に完全侵入する場合は交流損失は大きくなり,完全侵入しない場合は小さくなり,さらに周波数が大きくなると1周期当りの損失は小さくなる事が明らかになった.さらに有限要素法による解析コードが開発できたので今後損失の解析を通して損失機構の解明を行っていく. (3)線材性能向上・新材料の検討: Bi系材料より優れた超伝導性能を持つイットリウム(Y)系材料のバルク材料を作り,交流損失特性の基礎になるヒステリシス損失特性を調べた.また,線材化した場合多結晶状態にあり,結晶粒界における導電特性を調べ,優れた通電特性を持つ線材を得るための基礎研究を行っている.
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