研究課題/領域番号 |
08044140
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石川 順三 京都大学, 工学研究科, 教授 (80026278)
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研究分担者 |
後藤 康仁 京都大学, 工学研究科, 助手 (00225666)
辻 博司 京都大学, 工学研究科, 助手 (20127103)
ALTON Gerald オークリッジ国立研究所, 物理部門, 主任研究員
FREEMAN J.Ha 英国原子力研究所, ハウエル研究所, 主任研究員
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キーワード | 負イオン / 大電流負イオン源 / 空間電荷 / 発散角 / 材料プロセス / 負イオン注入 / 低帯電 / 新材料 |
研究概要 |
1.コーン状スパッタリングターゲットを用いた小電流用スパッタ型負イオン源の負イオンビーム引き出しでは、エミッタンスが小さく、また、エネルギー幅は数eVから十数eV程度と小さいことが判った。他方、凹面状の大面積スパッタリングターゲットを用いる大電流用では、放出される負イオンは曲率中心に向かって加速されので、幾何学的にはエミッタンスはそれほど大きくならない。しかし、曲率中心部分での負イオンビームによる空間電荷が極めて大きくなり、ビームが発散させられ、数mA以上の大電流では負イオンビームの引き出し・輸送が困難となることが判明した。 2.負イオン引き出しの最適化においては、スパッタ型大電流負イオン源では引き出し直後の空間電荷効果による発散角を抑制する方法として、(1)引き出し電極直後に発散を抑制する磁場レンズを設置した引き出し系とする方法、または、(2)負イオン引出電極を質量分離電磁石の直前や少し入り込んだ位置に設置する方法などが負イオン引き出しの最適化には必要である判明した。 3.大電流負イオンビーム輸送では負イオンビーム自身の空間電荷による発散が問題であり、この為、(1)輸送空間への低エネルギープロトンビームの注入、(2)輸送空間へのキセノンガス導入などの空間電荷中和法、あるいは、周期的に磁場レンズを設置してビームに収束性を与える方法が対策がり、これらの得失を調査した。 4.負イオンビーム材料プロセス技術として、負イオン注入では絶縁物であっても帯電が極めて小さいことが判明した。また、その低帯電電圧発現には電気二重層の形成が関与していると考えた。
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