研究分担者 |
ゾトフ A ロシア, 科学アカデミー, 主任研究員
サラニン A ロシア, 科学アカデミー, 主任研究員
リフシッツ V ロシア, 科学アカデミー, 教授
アイゼル I ドイツ, ミュンヘン大学・工学部, 教授
綿森 道夫 大阪大学, 工学部, 助手 (80222412)
片山 光浩 大阪大学, 工学部, 講師 (70185817)
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研究概要 |
我々は、薄膜成長の初期過程に原子状水素を介在させると、膜の成長様式やモルフォロジーが大きく変わることを見い出し、これを水素媒介エピタキシ-と呼んでいる。しかし、その詳細についてはほとんどわかっていない。そこで、原子スケールでそのメカニズムを解明するとともに、これを利用して新しい極微細構造を作成し、そのデバイス応用までを視野に入れて基礎研究を実施することが本研究の目的である。 本年度は、これまで行ってきた研究を発展させるため、STMやイオン散乱を用いて、Ag,In,Sb,Pb/Si(111),(100)系に対して、日本、ドイツ、ロシアにまたがる国際共同研究を進めた。 主な研究成果は以下の通りである。 (1)Ag/Si(111)に対するSTM観察から、原子状水素に誘起されたナノクラスター形成においては、Ag,Si,H各原子間の原子組み替えが起きていることを原子レベルで明らかにした。 (2)Sb/Si(111)系においては、ほかの金属とは異なり、原子状水素との相互作用により表面から離脱するSb原子がかなり存在することがわかった。 (3)In/Si(111)系では、種々の超構造に対応して異なった構造が水素により誘起されるが、その構造変化は反応前の原子レベル構造により統一的に説明できることを明らかにした。
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