研究課題
共同研究に参加している三ケ国をそれぞれまとめて以下に実績の概要を示す。(1)日本神戸大学・山口大学においては真空乾燥とタールコーティングを組み合わせたプロセスを開発し、前年度に引き続き低品位炭の炭種をインドネシア産バンジャリサリ炭とオーストラリア産ロイヤング炭に広げて検討を行った。両炭種とも実用化可能な程度の高濃度スラリーを調製することに成功した。また、各種添加剤について高濃度スラリー化機能を調査し、低品位炭スラリー化の際の添加剤選定指針を得た。鹿児島大学においては熱水処理プロセスによる低品位炭スラリーの高濃度化熱処理条件の絞り込みを行った。改質炭の各種表面分析結果を総括して、低品位炭の表面改質過程における、化学的・物理的改質機構を議論することが出来るようになった。(2)オーストラリアモナシュ大学では熱水処理と機械的圧縮を組み合わせたプロセス(HMD;hydrothrmal-mechanical dewatering process)を開発し、褐炭の改質に有効であることを確証した。王立メルボルン工科大学では熱水処理した改質炭に各種化学的表面を行い、アルカリ表面処理がスラリー高濃度化に及ぼす効果を明らかにした。メルボルン大学では熱水処理した褐炭の改質炭スラリーのレオロジー特性を測定し、改質スラリー化プロセスにおけるスラリー輸送プロセスの設計データを得た。また、ニューカッスル大学においては低品位タンスラリーの輸送時におけるスラリー粘度および沈降安定性に関する実験を行い、スケールアップデータを得た。(3)インドネシアバンドン工科大学においては過熱水蒸気を低品位炭と接触させ、改質を行うシステムをセミバッチ式に改良スケールアップし、インドネシア産低品位炭の改質実験を行った。改質効果は良好であり、固体濃度約60%の改質炭スラリーを調製することに成功した。
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