研究課題/領域番号 |
08044162
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
土田 充義 鹿児島大学, 工学部, 教授 (60037819)
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研究分担者 |
揚村 固 鹿児島県立短期大学, 生活科学科, 助教授 (70094117)
柳 粛 湖南大学, 建築系, 助教授
楊 慎初 湖南大学, 建築系, 教授
晴永 知之 鹿児島大学, 工学部, 助手 (40284905)
東 英寿 鹿児島大学, 教養部, 助教授 (90218686)
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キーワード | 少数民族の住居 / 板敷の生活 / 炉の使用 / 土間と板敷 / 太い貫 / 切妻屋根 / 中央間と両脇間 / 等高線に並び住居 |
研究概要 |
1.土家族民家25棟の実測調査 (1)土家族民家25棟すべては3室一列型の住居であった。 中央間(堂)と両側に各一室を並べた形式の住居に切妻の屋根をかけ、堂の正面幅は両脇間(室)の幅より、単位寸法1尺(約320ミリ)分だけ長い。その住居は25棟中22棟で、堂と室の間には設計上明確な関係があったことを見つけえた。 (2)太い貫の使用 日本民家の貫とは異なり、柱直径の半分又はそれに近い幅の貫を通し、その上に束を立てて、柱と同様の使い方をし、土家族民家の貫は日本民家の梁と同様な使い方をしていた。 2.土家族住居25棟の住まい方調査 (1)堂を土間とし、室を板敷とする 広い中央間(堂)は正面の扉4枚を開けると開放的になり、一方両脇の室は1つの窓と扉1枚で閉鎖的な造りをしている。この形式の原形は漢民族の住居にも共通するし、韓国の民家とも類似する。 堂で先祖を祭り、室には炉がある。 開放的な堂の最も奥に先祖を祭る龕を置き、閉鎖的な室の中央には炉を切り、煮炊きと暖をとるのに使用する。しかし、日本とは異なり、背が低い小さな椅子に腰かけて作業をする。板敷きでありながら、土間と類似する使い方であった。 3.土家族住居の集住形態の調査 (1)長老格の住居は上方(高い場所)に建てられ、山岳地帯に住んでいるため、等高線上に、山を背にして並ぶ。 (2)常に左側を上位とする。 分家をする場合には下方か又は本家の右側の敷地に建てる。つまり、上方を優位とし、左側を本家とする秩序を把握できた。
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