研究課題
国際学術研究
平成8年度 土家族の集落と住居の調査湖南省永順県澤家郷巴家組と砂土村の地を調査した。土家族だけが仕む集落で、その集住形態は山岳地に等高線に沿って建て、狭い敷地のため、主屋の前方に出すには傾斜地に適応させた吊脚楼を付加した。その吊脚楼は主屋に向かって右側に建てる場合が8棟で、左側に吊脚楼を建てる住居は2棟であった。しかし吊脚楼を設けない住居が15棟であったから多くは吊脚楼を設けていなかった。敷地の周囲に塀や付属屋を建てて囲むことはしていない。主屋・吊脚楼・牛小屋・豚小屋と便所・山羊小屋が点在している。その点在の仕方はまず主屋の位置を決め、次に吊脚楼を建て、他は主屋の両側か背後の地に建てていた。住居は間口3間(柱と柱の間が3箇)、側面2間がほとんどで、中央を堂、両側を室とし、夫婦だけの時は向かって右側の室を板敷きとし囲炉裏を置き、後方に寝台を置いた。子供が成長すると左側の室に板を敷き、壁を付けて部屋とする。したがって、まず骨組を先に造って、その後部屋を造る方針であった。つまり住居の基本は規模を決めて、骨組を作りあげることであった。平成9年度 苗族の集落と住居の調査湖南省鳳凰県駱駝山村の集落と16棟の住居、それと龍角洞村の集落と6棟の住居の調査を行った。2集落共に谷間の川や池を中心にして、両側の山麓に民家が広がり、その谷間近くに格式を有す民家があった。この民家を核に住居が点在していた。2集落の住居22棟を調査した結果、次の4点を特徴として指摘しえた。1.正面入口を室内に入り込ませ、窪んだ入口を設けていた。2.室内3室又は4室に間仕切を入れず、広々とし中央の部屋以外に土間に炉を設けていた。3.必ず屋根裏を収納庫とし、床材はしっかりしていた。4.梁間が広く、正方形に近い矩形であった。
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