研究課題
国際学術研究
従来の遠隔教育システムは、既存の大量生産方式の教育方法を前提した、一方向のbroadcast方式である。しかし、社会の多様化は、このような、教師から学生への、ツリーを基本にした教育法から、教師、学生が相互にインタラクティブに交流し協調して学習する方式への転換を要求している。そこで最近は、フラットな教育に対応するインタラクティブなシステムとしてテレビ会議方式が注目されている。しかし、テレビ会議と教育では、システム要求が大きく異なる。本研究では、各種の調査の結果、遠隔教育システムへの基本的要件を明確にした。その結論の一つとして、動作等の非言語情報が今後インタラクティブ遠隔教育システム構築上きわめて重要となる。動作は非言語のために、簡単に記号化できず、教師、学生間の情報共有が簡単ではない。そのため、記号化機能が備えられていない、通常のテレビ会議システムでは、学習上重要な点が容易に理解できず、教師負担も大きい。本研究では、教師、学生の動作の特徴を抽出し、類似度による分類を行い、注目点の明確化と、動作のクラスライブラリー化を図った。具体的には書道を例にインタネットを利用したCORBAベースの、文字学習システムを開発した。動作情報は技能(スキル)の表現として、生産と設計の統合化、ロボットの遠隔操作、さらに最近生産技術伝承、移転の視点から重要である。本研究は、きわめて簡単な例による検証であるが、今後本システムを発展させれば、動作技能の実用遠隔教育システムが開発が可能となり、また動作技能の適切な知的符号化が進むと期待される。
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