研究課題/領域番号 |
08044166
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研究機関 | 姫路工業大学 |
研究代表者 |
寺澤 倫孝 姫路工業大学, 工学部, 教授 (20197792)
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研究分担者 |
STOCKLI Mart カンザス州立大学, 物理学科, 教授
COCKE C.Lewi カンザス州立大学, 物理学科, 教授
関岡 嗣久 姫路工業大学, 工学部, 講師
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キーワード | 多価重イオン / 2次イオン / スパッタリング / 飛行時間測定法 / 酸化物超伝導体 / 固体表面 / 電子ビーム衝撃型イオン源 |
研究概要 |
酸化物超伝導体に高エネルギー重イオン照射を行うと、きわめて低い照射量で臨界電流の著しい上昇を得ることができる。この原因として電子励起効果の重要性が指摘されている。本研究は多価重イオン照射による固体からの2次イオン生成収率とスペクトルを測定することにより、イオン-固体相互作用における電子励起効果を調べ、格子欠陥生成のメカニズムの基礎的過程を解明することを目的としている。 本研究は、カンザス州立大学(KSU)のL.C.Cocke教授、M.Stockli教授の賛意を得て、同大学のCRYEBIS装置を使用する共同研究として実施している。 装置組立、テストの後、炭素薄膜を標的として多価重イオンの照射を行い、2次イオン生成収率の照射イオンの価数ならびにエネルギー依存性を調べた。その結果、2次イオン生成収率が照射イオンの価数に強く依存する事が分かった。M.Stockli教授らにより多価イオンビームのパルス化が可能となったのを受けて、薄膜ターゲットの作りにくい金属又は高温超伝導体などの固体ターゲットで実験を実施した。従来電子励起効果の起こりにくいとされてきた金属ターゲットにおいてもスパッタリング収量に著しい照射イオン価数依存性が見つかり、現象論的な古典障壁模型で解析を行ったところ、仕事関数の値の重要性が確認された。さらに詳しい解析を行っているところである。
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