研究概要 |
低温RF(MW)プラズマを用いた半導体ドライプロセス技術が実用化されて以来、10余年を経て、この技術がマイクロ(ナノ)エレクトロニクスの加工技術として基盤技術の位置を獲得している。先端技術を競う我が国と米国では、低温プラズマとそこで繰り広げられる諸機能のモデリングを通したプラズマプロセスデサインの時代に入ろうとしている。しかし既存の知識理論体系内での技術展開には限界がある。この現実打開のために本学術研究(3カ国共同研究)を企画した。その結果、成果として (1).Boltzmann方程式によるrf電子輸送理論体系の確立。(Makabe,Petrovic;Phys.Rev.E55,5901,1997), (2).マグネトロンプラズマやICPで要となるE×B電子輸送を具体的に算出するコードを構築し重要なAr中の輸送を 解明。(Ness,Makabe;to be published), (3).緩和連続(RCT)モデルの理論的再検証(Robson,Makabe;Annals of Physics261,74 1997)と、RCT/Boltzmann方程式モデルを提案し、電子/イオンの位相空間輸送の具体的算出コードを構築。(Makabe,Nakano;J.Vac.Sci. Technol.A16,294,1998), (4).ICPの補助励起機構、{E_r×B_Z(t)}・E_θ電子加熱の存在を時間分解、2次元CT診断から実証し(2)の重要性を確認。(Makabe,Ptrovic;Phys.Rev.E57,R43,1998), (5).プラズマエッチングで表面から放出される高速分子の2次元輸送論を構築し、具体的な輸送例をA1エッチングで例示し、再付着効果の定量化手法を確立。(Makabe,Nakano;to be published),を得た。理論体系の基幹となる各項目の詳細は各公刊論文を参照のこと。 各成果(1〜5)を統合する形で、2次元プラズマリアクターのデザインとウェハ-エッチングプロセスのモデリングに具体的に応用したいと考えている。
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