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1996 年度 実績報告書

建造物保存修復の理念及び方法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08044179
研究機関東京国立文化財研究所

研究代表者

松本 修自  東京国立文化財研究所, 修復技術部・第二修復技術研究室長, 室長 (80099960)

研究分担者 カスター ゲルト  シュレスヴィク, ホルスタイン州文化財保護局, 調査官
キューレンタール ミハエ  バイエルン州立文化財研究所, 修復部, 部長
エンデルス ヅークフリー  ヘッセン州文化財保護局, 調査官
渡邊 明義  奈良国立文化財研究所, 所長 (00249913)
宮本 長二郎  東京国立文化財研究所, 国際文化財保存修復協力センター, センター長 (60261252)
長尾 充  奈良国立文化財研究所, 飛鳥篠原宮跡発掘調査部, 研究員 (30261126)
村田 健一  奈良国立文化財研究所, 建造物研究室, 主任研究官 (50280607)
木村 勉  奈良国立文化財研究所, 建造物研究室, 室長 (60280608)
斎藤 英俊  東京芸術大学, 美術学部・大学院, 教授 (30271589)
亀井 伸雄  文化庁, 文化財保護部・建造物課, 主任文化財調査官
キーワード文化財 / 建造物 / 保存修復 / 記録作成 / 構造補強 / 整備活用 / 用途変更 / 教育制度
研究概要

建造物の保存修復について国際共同研究は、我が国においてもおそらくこれまでにあまり例のないものであるが、日独両国はいずれも深い歴史と優れた実績を有しており、経験を交流させることによって、この分野で世界をリ-ドする方法論を構築しうるとの共通認識に立っている。今年度の調査研究の方針として、相手国のできるだけ多くの種類の修復の事例を知ることに努め、その結果、我が国にとって参考となる、多岐に亘研究項目を得た。
1)記録作成の手法:ドイツの文化財保護は、他の行政と同様、州政府単位で行なわれており、そのためか基本的な台帳作成等の面でも非常に整備された綿密な方法を取っている。この点は、現在文化財の登録制度を導入しつつある我が国にとって特に参考となることがらである。また市単位では、登録された物件について各戸すべての調書が完備している場合もあった。
2)構造補強の手法:ドイツは地震がほとんどないので、条件的に恵まれているが、それでもなお時としては大胆に新素材による構造補強を導入している。宮殿の床を壁体内に配したステンレスの帯で小屋から吊る、あるいは大梁が切断されたトラスを炭素繊維で補強するなどの手法が注目された。
3)教育制度・機関:ヘッセン州フルダ、バイエルン州ティアハウプテンに、完備した修復建築家・職人養成の機関がある。前者は工房を備え、伝統的な修復材料の製造・供給も行ない、後者は古いドアなどをストックして、一種の部材博物館の役割をも果たしている。この面では我が国ははるかに立ち遅れていると言わざるを得ない。
4)整備活用の理念と手法:ドイツでは、文化財建造物を「活かして」再用することを基本としており、積極的に用途変更を行なっている。このため新たな設備を導入するのも常のことであり、かつそのデザインは非常に巧みである。学ぶべきことが多い反面、やや過度な現状変更があるのではないかとの印象を受けた。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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