研究分担者 |
伊藤 公孝 核融合科学研究所, 大型ヘリカル研究部, 教授 (50176327)
田辺 哲朗 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 教授 (00029331)
和田 元 同志社大学, 工学部, 教授 (30201263)
松本 和憲 富山県立大学, 工学部, 助教授 (00107179)
庄司 多津男 名古屋大学, 工学部, 助教授 (50115581)
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研究概要 |
(1)周辺部制御法の実験として高周波リミター実験,高Zリミター実験,ペレット入射実験,希ガス入射実験を実施し,いくつかの結果を得た。ユ-リッヒ研から日本へ2名のドイツ人が来日し,名古屋大学の装置で1ヶ月予備実験を行った。その結果をもとにドイツのトカマク用リミターを製作し,据え付けている。 (2)高Zリミター実験では,炭素とタングステン半々からなる特殊なリミターを製作し,実験を行った。その結果,炭素がスパッタリングによってタングステン側に移動していることが認められた。その反対に,タングステンは炭素側に移動しておらず,予測どおり損耗が小さいことが確認された。その成果は今年5月にアメリカで開催される第13回プラズマ・表面相互作用国際会議の準招待講演として採択され,研究協力者の大後氏が発表することになっている。 (3)ペレット入射実験では,入射後の電流分布変化を調べ,ペレットが深く侵入した場合に中心部の電流密陀が周辺部に比べて低くなる(ホロー状分布)を確認した。また,鋸歯状波振動と電流分布変化の関連について情報が得られた。 (4)周辺部イオン温度計測を目的とするグリット付きプローブ(イオン温度プローブ)実験を初めて実施した。電子温度に対しイオン温度が高いことが確認され,熱流計測の結果と対応していることが確かめられた。 (5)高Z材料に関する調査も引き続き進み,プラズマスプレイ法で黒鉛表面にタングステンを0.5-1.0mmコーティングした材料が25MW/m^2までのパルス的な熱負荷に耐えることを試験によっつて確認した。現在この方法で製作したリミターブロック10個をドイツのトカマク装置に装着し,周辺制御実験の開始を待っている。 (6)動的磁気ダイバータ(ダイナミックエルゴダイゼーション)の製作はほぼ決まり,99年にコイル設置完了という計画が決まった。本共同研究を踏まえて装置改造が進んだのは,(1)のRFリミター,(5)のタングステンリミターとともに3件を数え,共同研究の有効さが示された。
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