研究課題/領域番号 |
08044185
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
上野 直人 北海道大学, 薬学部, 教授 (40221105)
|
研究分担者 |
CHO K.W.Y. カリフォルニア大学, アーバイン校, 助教授
HEMMATIーBRIV アリ ロックフェラー大学, 助教授
THOMSEN G.H. ニューヨーク州立大学, ストーニーブルック校, 助教授
|
キーワード | 初期発生 / パターン形成 / 細胞増殖因子 / アクチビン / BMP / Ser / Thrキナーゼ受容体 / 細胞内情報伝達 |
研究概要 |
初期発生のパターン形成の分子機構に関する研究は主に細胞増殖因子やそれらの標的細胞内のシグナル伝達機構に注目して行われている。本共同研究では以下の2点に絞って共同研究が行われた。 1)TGF-βスーパーファミリー受容体はすべてSer/Thrキナーゼであるが、この受容体ファミリーは少なくとも7つのメンバーからなるファミリーを形成しており、リガンドはそれぞれに特異的な受容体と結合する。しかしながら、ひとつのリガンドが複数の受容体に結合したり、ひとつの受容体が複数のリガンドによって共有されていることがわかっている。これらの複雑なリガンド受容体システムははどのように使い分けられているのだろうか。初期発生を制御するTGF-βスーパーファミリー受容体のシグナル伝達の質の違いについて検討する。 2)TGF-βスーパーファミリー受容体のシグナル伝達を担う細胞内因子を同定する。 受容体から発せられたシグナルは何らかのかたちで細胞内、そして核へその情報が伝達される。その細胞内情報を担っているものにはどのような分子があるのだろうか、BMPシグナルの下流因子を同定する。 得られた結果 1)Ser/Thrキナーゼ受容体を改変して構成的活性型とすることにより、リガンドの非存在下で細胞内情報伝達を活性化することが可能であることが明らかになった。そこでALK2,ALK3,ALK3のそれぞれを構成的活性型に改変し、ツメガエル初期胚に過剰発現させ形態形成への影響を観察した。その結果、調べた受容体すべては腹側化に関わる受容体であることが判明した。 2)ショウジョウバエの研究から発見されたmadのツメガエル相同遺伝子MADR1を単離し、同遺伝子はBMPのシグナル伝達に介在していることを示した。また、BMPによって誘導される遺伝子Msxを単独で過剰発現させても腹側化が起こることからMsxもBMPのシグナルを一部担っているものと考えられた。
|