研究課題/領域番号 |
08044185
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
発生生物学
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研究機関 | 岡崎国立共同研究機構 (1997) 北海道大学 (1996) |
研究代表者 |
上野 直人 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (40221105)
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研究分担者 |
CHO Ken W.Y. カリフォルニア大学, アーバイン校, 準教授
HEMMATIーBRIV ロックフェラー大学, 準教授
THOMSEN Gera ニューヨーク州立大学, ストーニーブルック校, 助教授
THOMSEN Gerald H. SUNY,STONYBROOK AST.PROF.
BRIVANLOU Alihemmati ROCKFEELLER UNIV.ASO.PROF.
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 骨形成タンパク質(BMP) / TGF-βファミリー / アフリカツメガエル / 初期発生 / 神経誘導 / 中胚葉誘導 |
研究概要 |
1980年代に細胞増殖因子が初期発生の制御に極めて重要な役割を担っていることが明らかにされて以来、それらの制御メカニズムの解明に多くの発生生物学者の努力が注がれてきた。とくにアフリカツメガエルなどの両生類をモデルとした研究から。初期発生の制御のなかでも胚葉形成に不可欠な二つの誘導現像、すなわち中胚葉誘導、神経誘導が細胞増殖因子によって制御されていることが示唆されてきた。本共同研究によって、中胚葉誘導にはTGF-βファミリー因子のうちアクチビンやVg1が背側化因子として脊索や筋肉の形成に、BMPが腹側化因子として血液、間充織などの形成を促すことが明らかになった。またもう一つの誘導現象である神経誘導においてはBMPが神経形成阻害因子として働き、BMPがその結合蛋白質であるnoggin,chordin,follistatinなどによって阻害されることにより、神経誘導が起こるというモデルを提唱した。また我々の共同研究によってリガンド分子の機能ばかりでなく、受容体の構造や機能、シグナル伝達の特異性についても明らかにされた。また受容体以降のシグナル伝達系についても多くの知見が得られ、アクチビン、BMPの細胞内情報伝達系を担う分子Smadがどのように異なるシグナルの特異性を決定しているのか、そのメカニズムが明らかにされた。また、BMPシグナルの一部を担う新規MAPKKK,TAK1およびその活性化因子TAB1の機能についても明らかになった。 このように、この数年間の研究によってTGF-βファミリー因子が初期発生過程でどのように作用し、どのように細胞分化を促すのか、パターン形成の分子メカニズムの一部が明らかにされたと考えている。
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