研究分担者 |
VERON Michae パスツール研究所, 生化学部, 教授
WILLIAMS Jef ロンドン大学, MRC研究所, 教授
FIRTEL Richa カリフォルニア大学, サン・ディエゴ校・分子遺伝センター, 教授
足立 博之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (00211699)
雨貝 愛子 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90261552)
須藤 和夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (20111453)
竹内 郁夫 岡崎国立共同研究機構, 機構長(研究職) (90025239)
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研究概要 |
粘菌における細胞機能の分子機構について国際共同研究を実施し、主として以下の点を明らかにした。 1,安定な細胞マーカー遺伝子と細胞型特異的遺伝子とを同時に導入して得た2重形質転換細胞を用いることによって、飢餓処理時点での個々の細胞の細胞周期内位置がその後の発生過程における細胞分化に決定的な重要性をもつことを明らかにした。また、予定胞子細胞の分化には、それに先だって細胞周期の再開が必要とされることが分かった。さらに、ガラス・キャピラリー内での細胞分化誘導系を用いて、予定柄細胞及び予定胞子細胞の分化比率が外界の酸素分圧に著しく依存して変化することが示された。 2,増殖/分化の切り換えに関与する可能性が高いリン酸化・タンパク質について、特に注目する分子量90kDaのリン酸化タンパク質のN-末端アミノ酸配列が決定されたので、この情報をもとに当該タンパク質をコードしている遺伝子を単離できる基礎が築かれた。 3,新しい遺伝子挿入・破壊法(REMI;restriction enzyme-mediated integration)を用いて、粘菌細胞の細胞質分裂に関与する遺伝子としてgapAが同定された。また、多細胞体を構築できない変異種について解析したところ、この変異の原因になっている遺伝子が酵母のSSN6という遺伝子と高い相同性を有することが分かった。
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