研究課題/領域番号 |
08044192
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
原 登志彦 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (80183094)
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研究分担者 |
STORCHOVA He チェコ科学アカデミー, 植物学研究所, 研究員
HERBEN Tomas チェコ科学アカデミー, 植物学研究所, 研究員
KRAHULEC Fra チェコ科学アカデミー, 植物学研究所, 所長
鈴木 準一郎 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (00291237)
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キーワード | クローナル生長 / DNA-RAPD / 山地草原 / 種多様性 / 個体群維持機構 / チェコ共和国Xrkonose山 / 個体群動態 / 集団の遺伝的構造 |
研究概要 |
チェコ共和国Xrkonose山における山地草原で主要な草本植物種(いずれもクローナル草本)であるAnthoxanthum alpinum,Deschampsia flexuosa,Nardus stricta,Festuca rubraの生長、死亡、繁殖の動態とその個体(genet)のサイズと空間分布を調査して、クローナル草本植物群集の多様性維持機構を理論モデルにより研究した。平成9年度は7月に調査地で合計約2000の葉のサンプルを採集し(各種約500サンプル)、8月から12月にかけてDNAを抽出した。現在、DNA RAPDによりこれらサンプルの個体識別を行っているところである。Festuca rubraに関してのみ、ある程度の結果が得られているので報告する。1m^2当たり約450-750 genetsが確認された。genetの平均サイズは約22cm^2であった。地下茎のクローナル生長率は0.2-0.3/yearであった。また、シュートの死亡率も0.2-0.3/yearであった。genetの出生率を調査地で非破壊的に測定するのはほとんど不可能である。そこで、我々が開発したクローナル植物の空間生長モデルにより出生率の推定を行った。その結果、毎年lm^2当たり4-10の新しいgenetが生まれると、Festuca rubraの個体群は安定的に維持されるということか判明した。調査地で得られた地下茎のクローナル生長率とシュートの死亡率はあまり大きな変動を示さなかった。毎年の環境変動の影響を最も強く受けるのはgenetの出生率であると考えられる(芽生えたばかりの個体の死亡率は非常に高いので)。地下茎のクローナル生長率とシュートの死亡率が上記のような値の時、毎年のgenetの出生率か大きく変動しても(4-10)個体群は安定的に維持されるという、個体群の維持機構がFestuca rubraに働いていることが判明した。他の3種についてもDNARAPDによる個体識別が終了したら、同様な理諭モデルによる解析で草原植物群集の多様性の維持機構を解明する予定である。
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