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1996 年度 実績報告書

イオンポンプによる能動輸送の構造的基礎

研究課題

研究課題/領域番号 08044195
研究機関東京大学

研究代表者

豊島 近  東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授 (70172210)

研究分担者 STOKES David  スカボール医学研究所, 準教授
キーワードイオンポンプ / カルシウムポンプ / 能動輸送 / 三次元構造 / 電子顕微鏡 / 構造解析 / 膜蛋白質
研究概要

本研究の目標はP型イオンポンプを代表する分子である筋小胞体カルシウムATPaseに関し、三次元構造解析を進め、能動輸送の分子メカニズムを三次元構造の面から明らかにすることである。そのために、現在得られているチューブ状結晶、三次元微結晶に関し、ニューヨーク大学医療センターのストークス準教授のグループと共同研究を行ってきた。具体的には代表者とプログラムを実際に書いた学生が7月に渡米し、チューブ状結晶の解析プログラムの移植を行うとともに、thapsigarginを結合させたチューブ状結晶の解析を実際に行った。これは、プログラムの誤りをなくすのに役立つとともに、学生にとっては大変有益な経験であった。また、最新鋭の電子顕微鏡を使用するとともに三次元結晶からの回析データ収集方法に関し議論を行った。二月には米国側が来日し、thapsigarginを結合させたチューブ状結晶に関して、新しく開発したプログラムを用いた画像の平均化と、結合させていない結晶との差を計算した。この結果得られた差異は、ATP結合部位の近傍のみに見られた。これがthapsigarginを表しているとすると、膜内に結合するとされていたこれまでの予想に反することになる。しかし、thapsigarginが結晶化を誘導するという事実とはよく合うものである。また、ATP結合部位をクロミウムATPを結合させたチューブ状結晶を用いて日本側で決定し、討論を重ねて、共同の論文として発表することが出来た。さらに、三次元微結晶とチューブ状結晶での構造の違いをまとめた論文を、共同で書いており、二月の協力者側の来日は大変有益であった。
三次元微結晶の回折データ収集のための装置やプログラムの開発は順調に進んでいる。来年度中に7Å分解能での構造解析を完成させたい。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Tani,K.: "A set of computer programs for determining defocus and astigmatism in electron images" Ultramicroscopy. 65. 31-41 (1996)

  • [文献書誌] Akiba,T.: "Three-dimensional structure of bovine cytochrome bcl complex by electron cryo microscopy and helical image reconstruction" Nature Struct.Biol.3. 553-561 (1996)

  • [文献書誌] Choeng,G-W.: "Lamellar stacking in three-dimensional crystals of Ca2+ -ATPase from sarcoplasmic reticulum" Biophys.J.70. 1689-1699 (1996)

  • [文献書誌] Nakazato,K.: "Two-dimensional Crystallization and cryo-electron microscopy of photosystem II" J.Mol.Biol.257. 225-232 (1996)

  • [文献書誌] 豊島近: "膜蛋白質の三次元構造" 物理学会誌. 51. 342-346 (1996)

  • [文献書誌] 小川治夫: "電子顕微鏡とタンパク質結晶学" 日本結晶学会誌. 38. 89-94 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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