研究分担者 |
JOHNSTON Lel National Institute for Medical Research, 主任
DIFFLEY John Inperial Cancer Research Fund The Clare, 主任
CAMPBELL Jud California Institute of Technology Biolo, 教授
TYE BikーKwoo Cornell University, Section of Biochemist, 教授
JOHN.F.X. Diffey Imperial Caner Research Fund The Clare Hall Laboratories, Head
LELAND H. Johnston National Institute for Medical Research, Head
BIK-KWOON Tye Cornell University・Section of Biochemistry and Molecular and Cell Biology, Profe
JUDITH L. Campbell California Institute of Technology Biology Division, Professor
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研究概要 |
出芽酵母(S.cerevisiae)においてCdc7/Db f4 protein kinaseが染色体DNA複製開始に必要であることが知られている。このkinaseのDNA複製開始における役割を明らかにする目的で、先ず、Cdc7/Db f4 kinase複合体をバキュロウイルス発現系を使用し昆虫細胞内で発現させ、その複合体を精製した。精製したCdc7/Db f4 kinaseは「複製ライセンス因子」であるMcm蛋白群のうちMcm2蛋白のN-末端半分の部分をを特異的にリン酸化することが明らかになった。野生型Cdc7/Db f4と同様に昆虫細胞で発現させた温度感受性Cdc7-1/Db f4及びCdc7/Db f4-1複合体ではMcm2蛋白のリン酸化は起こらなかった。これらの結果は、Mcm2蛋白がCdc7/Db Db f4 protein kinaseのin vivoの基質であり、Mcm蛋白の機能がCdc7/Db f4によりリン酸化されることにより制御されていることを示している。ORC複合体と同様に染色体DNA複製開始に必要なもう1つの遺伝子としてMcm10が知られている。この遺伝子産物(Mcm1Op)は細胞内でORC複合体と物理的に相互作用していることがクロマチン展開法及び免疫沈降法などで示された。一方、Mcm 10p蛋白はORC複合体と同様、細胞周期を通じてクロマチン分画に回収されるが、DNbseIや高塩濃度の塩によって抽出されない核マトリックスに極存することから、この蛋白はORC蛋白や他の複製蛋白と複製開始複合体を形成する場を提供しているのではないかと考えられる。 DNA複製に必須な三つのDNAポリメラーゼの一つであるDNAポリメラーゼII(ε)の複製点における機能を理解する目的で、DNAポリメラーゼIIと相互作用し、DNA複製や、S期のチェックポイント制御に必須なDpbII蛋白と相互作用していると考えられる蛋白群の同定を行った。その結果、既に知られているDNAポリメラーゼIIの第三番目のサブユニットであるDpb3、複製開始に必要なCdc45、S期及びDNA損傷に対するチェックポイント制御に関わっているRad53のほかに、新たにSld2,Sld3,Sld5,及びPsf1蛋白が直接または間接的にDpbII蛋白と相互作用していることが明らかにした。DpbIIはもとよりsld2,sld3,Cdo45,Sld5,及びPsflの温度感受性変異株では全て非許容温度下では染色体DNA複製開始が起こらないことが明らかになった。従って、これらの実験結果を総合するとこれら新しく同定した蛋白のみならず、DNAポリメラーゼ11(ε)自体も染色体DNA複製開始反応に非常に重要な役割を果たしていることが考えられる。
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