研究課題/領域番号 |
08044206
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
堀田 康雄 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (30190218)
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研究分担者 |
TUMENNASAN H モンゴル科学院総合実験生物学研究所, 所長
高瀬 尚文 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (20263444)
平塚 和之 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (30202279)
並河 鷹夫 名古屋大学, 農学部, 教授 (70111838)
CHANDLEY Ann 英国医学研究機構, 人類遺伝学部, 部長
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キーワード | 減数分裂 / LIMシリーズ遺伝子 / 特異的遺伝子産物 / シナプトネマ構造 / 抗体抗原蛋白 / 雄不妊 / 精巣のサイズ / ヤク、ウシ |
研究概要 |
試料の入手:韓国ソウル経由と中国北京経由では採取した試料の没収があるので、5月より週一回土曜日に運行されるモンゴル航空便を利用した。精巣(減数分裂解析用)、その外部組織と血液(比較のための体細胞分裂解析用)1)染色体観察用、2)スプレッド法によるシナプトネマ構造(SC)観察用、3)減数分裂特異的遺伝子産物の抗体による抗原蛋白の分布と定量用の試料を固定液と液体窒素凍結により確保した。細胞の現地での分画処理のため、遠心分離機、細胞ろ過機、そお運転のために必要な携帯用発電機は緊急調達した。牧畜家、獣医への支払は予想より高かった。 結果:ヤク、ウシ、その雑種F1、F2、F3の雄2個体ずつの試料を解析した。 1)精巣のサイズは、ヤク、ウシはほぼ同一、F1は顕著に小型で、F2、F3の順に大きくなる。個体と精巣の発生のステージは総て同じであり、精巣の体細胞組織は量的にも組織学的にも同一であるから、精巣のサイズは生殖細胞の量に比例している。 2)F1の精細管内では減数第二分裂に入っている細胞が見当たらず、第一分裂で停止し、細胞が崩壊死滅するか、この時期に異常に長い時間留まる。も少し発生の進んだ試料を調べる必要がある。ヤク、ウシではこの様な事はなく、F3の精巣では可なりの数の精子細胞が見られ、減数分裂の回復がある。 3)F1、F2のSCを銀染色してみると、SCの断片化と異常が観察でき、減数第一分裂の崩壊は、対合不全と組み換え異常又は欠損に由来すると推定出来た。染色体自体の断片化や異常は厚糸期までは殆どなく、あっても軽微なものである。 4)減数分裂特異的LIMシリーズ遺伝子産物の検出を試みた。抗アクチン抗体をコントロールとしてLIM15,LIM18の抗体で遺伝子産物の存在を検出したが、定量化、局在決定は再実験が必要となっている。 評価:新鮮な試料、より適切な細胞分画、固定法等の改良とより多くの試料の入手が一部のデータの確認と次年度計画に必要となった。
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