研究課題/領域番号 |
08044216
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
日高 道雄 琉球大学, 理学部, 教授 (00128498)
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研究分担者 |
KINZIE III R ハワイ大学, 動物学科, 教授
廣瀬 裕一 琉球大学, 理学部, 助教授 (30241772)
竹村 明洋 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 助教授 (40222103)
酒井 一彦 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 助教授 (50153838)
土屋 誠 琉球大学, 理学部, 教授 (40108460)
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キーワード | サンゴ / 自己・非自己認識 / 組織適合性 / 共生 / 褐虫藻 / 宿主特異性 / 種間相互作用 |
研究概要 |
サンゴの同種異種認識機構について調べるため、様々な種のサンゴの細片を接触させ、隔膜糸による胃腔外消化の有無を調べた。その結果、同属のサンゴ間では隔膜糸攻撃が見られなかったものの、異属のサンゴに対しては、隔膜糸攻撃を示す場合と示さない場合とが見られた。また細胞凝集反応を利用して種間相互作用を調べるため、1種のサンゴの解離細胞のみから形成される繊毛運動により回転するボール状細胞塊(tissue-ball)と異種の解離細胞を混合したときに形成されるtissue-ballの形態やサイズを比較した。その結果、異種の解離細胞を混合した場合には、tissue-ballの形成が阻害されたり、染色した相手サンゴの細胞を取り込むことが観察された。 2種のイシサンゴで親組織から卵母細胞に褐虫藻が侵入する時期をより詳細に確認した。初期発生における褐虫藻の胚内分布の変化を追跡した。 平成9年度にハワイにおいて終了したサンゴ移植実験試料を持ちかえり、分析に供した。その結果、異なる遺伝的個体間で成長と配偶子生産量の差が検出され、サンゴの大きさによる卵と精子の生産比率の差が検出され、サンゴが群体サイズを認識できることが示唆された。 Diplosoma similisはイシサンゴと同所的に生息し、共生藻を持つ群体性ホヤである。自己・非自己認識を伴う群体の癒合・拒絶反応の有無を検討したところ、群体が接した状態で群体間の明瞭な境界が認められた。組織切片からも群体が癒合していないことを確認したが、接触部域での血球の浸潤などは観察されなかった。
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