研究課題/領域番号 |
08044223
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
桜井 英博 早稲田大学, 教育学部, 教授 (10063645)
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研究分担者 |
BRETTEL Klau フランス原子力部, サクレー研究所, 研究員
SETIF Pierre フランス原子力部, サクレー研究所, 研究主任
楠元 範明 早稲田大学, 教育学部, 助手 (60277861)
井上 和仁 神奈川大学, 理学部, 講師 (20221088)
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キーワード | 光合成 / 反応中心 / 緑色硫黄細菌 / シトクロム / Fe-Sセンター / 閃光分光 |
研究概要 |
緑色硫黄光合成細菌から、調製時の嫌気性維持に細心の注意を払うことにより、高い光化学反応活性を保持した反応中心複合体(PS-C)を抽出、精製した。精製PS-Cは、3種のFe-Sセンターと反応中心P-840あたり約2個のCyt c_<551>を結合していた。 精製PS-Cに結合しているP840、Cyt c_<551>、3種のFe-Sおよび電子受容体、供与体の間の電子伝達速度を、室温で、ns-ms領域の閃光分光により研究した。励起光源はルビーレーザー2,YAGレーザー及びキセノンで、1s以内に4回の励起をおこなうことができる。1150nmにおける測定から、閃光照射によって生じたP840^+の還元には、閃光1,2発目後の速い成分とt_<1/2>が数100ms以上の極めて遅い成分が見られた。550nmにおける測定から、速い成分はCyt cによる還元で、そのt_<1/2>は、50-100μsであった。この結果は、2つのCyt cがPS-Cにおいて同じ反応性を持っているもののとして説明できる。閃光3,4発目では、840^+還元の遅い成分は数ms-数10msに加速されたが、これをP840^+-Fe-S^<3->間の電荷の再結合と還元剤による直接的還元に分けて解析した。また、4発の閃光照射後に初めて数10nsの極めて速い成分が観察されたが、これはA_0^--P840^+間の電荷再結合によるものと解釈された。これらの結果を総合して、PS-Cにおける電子伝達のいくつかの段階について、その反応速度定数を明らかにした。
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