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1996 年度 実績報告書

南極海ペンギン類の捕食行動とエネルギーダイナミックス

研究課題

研究課題/領域番号 08044224
研究機関国立極地研究所

研究代表者

福地 光男  国立極地研究所, 研究系, 教授 (80099936)

研究分担者 西海 功  国立科学博物館, 動物第一研究室, 研究官 (90290866)
KOOYMAN Gera  スックリップス海洋研究所, 研究員
坂本 亘  京都大学, 農学部, 教授 (50013587)
内藤 靖彦  国立極地研究所, 研究系, 教授 (80017087)
今福 道夫  京都大学, 理学部, 助教授 (60135506)
山岸 哲  大阪市立大学, 理学部, 教授 (80101286)
牛尾 収輝  国立極地研究所, 北極圏環境研究センター, 助手 (50211769)
榎本 浩之  北見工業大学, 工学部, 助教授 (00213562)
LEMAHO Yvon  生態学生理エネルギー学研究所, 所長
ROBERTSON Gr  オーストラリア南極局, 研究員
渡邉 研太郎  国立極地研究所, 資料系, 助教授 (30132715)
山本 義和  神戸女学院大学, 人間科学部, 教授 (70131539)
宮本 佳則  東京水産大学, 海洋生産学科, 助手 (80251685)
荒井 修亮  京都大学, 農学部, 助手 (20252497)
谷村 篤  三重大学, 生物資源学部, 助教授 (10125213)
CROXALL John  英国南極調査所, 研究員
岩見 哲夫  東京家政学院大学, 助教授 (80183200)
一井 太郎  遠洋水産研究所, 南大洋室, 主任研究官
佐藤 克文  国立極地研究所(日本学術振興会), 特別研究員(PD)
加藤 明子  国立極地研究所, 研究系, 助手 (80261121)
綿貫 豊  北海道大学, 農学部, 助手 (40192819)
キーワードペンギン / アデリーペンギン / オオサマペンギン / 潜水行動 / 採蝕行動 / 体温 / 代謝 / 海氷
研究概要

南極海のペンギン類は、捕食を水中で行なうため、他の鳥類と比較して、極めて高い潜水能力を有する。しかし、潜水を行なうには肺呼吸動物であるため、潜水遊泳に要するエネルギーは限定されている。ペンギンがいかに効率的にエネルギー使い、餌捕りに成功するかを、フランス、クローゼ島、デユモンデルビル基地、昭和基地において、キングペンギン、アデリーペンギンを対象に現場実験を行なった。実験は、遊泳水深、水温、遊泳速度、左右、前後加速度、食道、胃内、腹腔、皮下の各部体温の測定を、マイクロデータロガーを用いて1秒から、10秒単位で計測を行なった。その結果、キングペンギンは300mの水深に連続的に潜水する間、体温を深部で摂氏25度まで低下することが明かとなった。これは、潜水中代謝量を落とし、エネルギーを節約しているためと考えられた。同時に、ペンギンは、浮上時には全く遊泳行動をしないで浮上することも明らかになった。これはペンギンが空気を肺の内部に蓄えて潜水するためであり、これにより中立浮力点を持ち、これより浅い水深では自然浮上するためと考えられた。このことはアデリーペンギンでも確認され、ペンギンは潜水時にエネルギーを節約することが明らかになった。また、ペンギンの捕食行動では、通常2m/秒の速度で遊泳するペンギンは捕食時にダッシュし、4m/秒に達した。このことから、ペンギンはエネルギー節約モードから瞬間的に高負荷運動にスウイッチすることも可能であることが明かとなった。このことは、ペンギンの潜水が、有酸素代謝と無酸素代謝の組み合わせによっていることの可能性を示すものであり、極めて興味ある結果である。今後、心電波形記録計によるより詳細な計測が必要となる。

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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