研究課題/領域番号 |
08044226
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | (財)日本生物科学研究所 |
研究代表者 |
山内 一也 財団法人日本生物科学研究所, 主任研究員 (30072888)
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研究分担者 |
杉山 誠 岐阜大学, 農学部, 助手 (80196774)
鎌田 寛 日本大学, 農獣医学部, 助手 (30139050)
甲斐 知恵子 東京大学, 農学部, 助教授 (10167330)
DIALLO Adama フランス熱帯獣医学研究所, 主任研究員
BARRETT Thom 英国家畜衛生研究所, 主任研究員
NUNOYA Tetsuo Nippon Inst.Biol.Sci.Director (80099994)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 牛疫ウイルス / 組換えワクチン / 感染防御 / 細胞性免疫 / H蛋白 / NP蛋白 |
研究概要 |
発展途上国における家畜の最重要ウイルス疾患の原因である牛疫ウイルスについて、組換え牛疫ワクチンによる免疫の有効性および細胞性免疫の成立機構の研究を行った。 主な成果は以下のとおりである。 1。組換え牛疫ウイルスの有効性に関する研究 (1)ワクチニアウイルスベクターにH遺伝子を組み込んだ組換えワクチンの免疫持続効果 本ワクチンについてはすでに1年間の免疫持続が確認されている。本年度は、ワクチン接種2年目での攻撃試験を行った。その結果、一部のウシで発病がみられたが大半は無症状に耐過し、長期間の免疫持続が確認された。 (2)ワクチニアウイルスNP遺伝子を組み込んだ組換えワクチンの免疫効果 前年度の実験でウサギでは強毒ウイルス攻撃に対する防御免疫は確認できなかったので、本年度はウシで実験を試みた。ウシでは中程度の病原性の牛疫ウイルス攻撃で防御免疫の成立が見いだされた。これらのウシでは中和抗体は産生されておらず、細胞性免疫による防御が推測された。しかし、もっとも強毒の牛疫ウイルス攻撃では防御はみられず、H遺伝子組換えワクチンよりも弱い防御効果であることが示唆された。ウサギでの防御の不成立は攻撃ウイルスの毒力が強すぎたためと推測される。 2。牛疫ウイルス感染防御における細胞性免疫 H遺伝子を組み込んだワクチニアウイルスによる感染防御に細胞性免疫の関与が示唆されたため、H遺伝子を発現する自己細胞を標的とした細胞傷害性試験の方法を開発した。この方法により、ワクチン接種1週間後より細胞傷害性T細胞の出現が確認された。 一方、NP蛋白にていては特定のエピトープが細胞性免疫の成立に関わっていることが明らかにされた。
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