研究課題/領域番号 |
08044229
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
宇佐見 真一 弘前大学, 医学部, 助教授 (10184996)
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研究分担者 |
藤田 繁俊 弘前大学, 医学部・附属病院, 助手 (70261451)
松原 篤 弘前大学, 医学部, 助手 (10260407)
オッターセン ウレ・ペッ オスロ大学, 医学部, 教授
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キーワード | 神経伝達物質 / グルタミン酸 / レセプター / トランスポーター |
研究概要 |
グルタミン酸は内耳の感覚細胞に豊富に分布し求心系の神経伝達物質として機能している可能性が考えられている。感覚受容器では中枢神経系とは異なった神経伝達が行なわれていると考えられているが、今回、グルタミン酸受容体、トランスポーター、グルタミン酸代謝酵素の分布を検討し内耳におけるグルタミン酸の代謝経路、動態の特徴を明らかにするために本研究を企図した。 1 内耳に分布するグルタミン酸受容体の分布の検討:グルタミン酸が特異的な機能を発揮するためにはシナプス後膜に存在する受容体に結合することが必要である。またそのレセプターのサブタイプの組み合わせにより多様な機能が発現すると考えられている。我々は第一次求心ニューロン(ラセン神経節細胞、前庭神経節細胞)にAMPA型(GluR2,3)、NMDA型(NMDAR1)レセプターが存在することが明らかとなった。 2 内耳に分布するトランスポーターの分布の検討:グルタミン酸による神経伝達を終了させるためにはグルタミン酸を細胞内に取り込むトランスポーターが必要となる。内耳の支持細胞にグリア型のトランスポーターであるGLASTが分布することが明かとなった 3 内耳に分布するグルタミン酸代謝酵素の分布の検討:グルタミナーゼ、グルタミン合成酵素の分布を検討した結果、内耳感覚細胞にグルタミナーゼが豊富に分布するのに対し、支持細胞にはグルタミン合成酵素が豊富に分布することが明かとなった。 4 中枢神経系におけるデータとの比較検討 5 グルタミン酸神経伝達の面から見ると、内耳の支持細胞はグリアと類似の機能的役割を担っていることが明かとなった。
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