研究課題/領域番号 |
08044235
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
神経化学・神経薬理学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
谷内 一彦 東北大学, 医学部, 教授 (50192787)
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研究分担者 |
GREEN Jack P マウントサイナイ大学, 医学部, 教授
FROST James ジョンスホプキンス大学, 医学部, 教授
福井 裕行 徳島大学, 薬学部, 教授 (90112052)
伊藤 正敏 サイクロトロンRIセンター, 教授 (00125501)
渡邊 建彦 東北大学, 医学部, 教授 (70028356)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | PET / ^<18>F-標識ヨウ化フルオロベンジル / 3次元データ収集PET / スーパーコンピュータ / ドパミンD_2受容体 / ヒスタミンH_1受容体 / 眠気 / 脳賦治試験 |
研究概要 |
1. ポジトロン標識化合物の開発。 ^<11>C-ヨウ化メチルと同様に汎用性のあるポジトロン標識前駆体である^<18>F-標識ヨウ化フルオロベンジル反応を確立した。標識合成の迅速で効率的な^<18>F-標識フルオロベンジルイミダゾイルプロピルエーテル(^<18>F-FUB193、^<18>F-fluoropropoxyfan)の反応条件を確立した。 2. 分子生物学的手法の導入 PETで得られた結果の解釈のために、分子生物学的な手法を用いた研究を併行して行った。ヒスタミンによる細胞内カルシウム濃度上昇を指標にヒスタミン感受性がどのようになるのかを調べた。受容体量が増加するのに従って低濃度でもヒスタミンに反応するようになることがわかった。またヒスタミンの役割をより明確にするためにヒスタミンH1受容体遺伝子ノックアウトマウスを用いてその機能を解析した。 3. 3次元PETカメラを用いたヒト脳の神経伝達量測定法の開発と疾患への応用。 ヒト脳内神経受容体の非侵襲的定量化法の確立を行った。PETによる受容体測定の時に今までは動脈血採血をおこなって定量してきたが、無採血非侵襲的定量法を考案して速度定数や結合パラメーターの算出をおこなった。この方法の臨床応用としてアルツハイマー型痴呆患者においてドパミンD2受容体量を測定した。 4. 脳賦活試験法による高次脳機能の研究。 (1) 脳賦活法を用いたヒスタミン神経系の研究。本研究は、まず(1)[^<11>C]ドキセピンを用いてH1受容体占拠率を測定し、眠気発生や認知能力低下にどれだけのH1受容体占拠が必要か明らかにすることを試みた。さらに(2)H_2^<15>Oと3D-PETを用いて視覚認知課題遂行時の脳機能イメージングを行い、抗ヒスタミン薬投与による眠気や認知機能低下の発生メカニズムを調べた。 (2) リガンド賦活法による神経伝達物質遊離測定。最近のPET研究の進歩には、このような3次元データ収集PETを用いたH_2^<15>Oによる脳賦活試験とリガンド賦活法によるヒト脳における神経伝達物質遊離測定の開発が挙げられる。我々は、[^<11>C]ドキセピンを用いたヒスタミンH1受容体測定法を用いて、2回PET検査をすることによりヒトの脳内においてヒスタミン遊離が測定できるかを試みた。 (3) ヒトの神経薬理学。我々はさらにアルコール(EtOH)負荷による眠気や認知機能障害について、まずタスク面から検討した。将来このように中枢神経系作用薬の作用メカニズムをタスクに関連した脳の活動性の変化として捉えていきたい。
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