研究課題
国際学術研究
平成9年度には以下に示すような分子の機能解析を行った。l)Dominant-negative Kir6.2を膵β細胞に発現する遺伝子導入マウス膵β細胞のKATPチャネルはSUR1とKir6.2の2つのサブユニットから構成されインスリン分泌調節に重要な役割を果たしている。我々は、膵β細胞のK_<ATP>チャネルの生体での機能を直接的に明らかにする目的でKir6.2のdominantnegative変異体を膵β細胞に発現する遺伝子導入マウス(Tgマウス)を作製した。Tgマウスは新生仔期にヒトの新生児家族性低血糖症と類似した低血糖を示し、6週令以降では糖尿病を発症した。Tgマウスではグルコースによるインスリン分泌の障害を認め、膵β細胞のK_<ATP>チャネルがインスリン分泌の調節分子として不可欠であることが明らかになった。2)Noc-2のクローニングと機能解析膵β細胞からのインスリン開口放出において、細胞内Ca^<2+>の上昇は重要なシグナルである。このため膵β細胞にはCa^<2+>の変化を関知する分子が存在すると考えられる。神経終末では、rabphilin-3AはRab3Aの標的分子であり細胞内Ca^<2+>の上昇に伴うシナプス顆粒の開口放出に関与しているが、膵β細胞にもrabphilin-3Aに類似したRab3Aの標的分子が存在することが予想された。われわれは、rabphilin-3AのRab3A結合ドメインをプローブに、膵β細胞および内分泌細胞に発現する新たな分子Noc-2を単離した。Noc-2は302個のアミノ酸からなり、zinc-finger様構造を有していた。副腎細胞株であるPC12に成長ホルモンと共にNoc-2を共発現すると、高濃度^<K+>による成長ホルモン分泌を有意に促進させ、膵β細胞からのインスリンの開口放出を制御している可能性が示唆された。
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