研究課題/領域番号 |
08044260
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
清水 不二雄 新潟大学, 医学部, 教授 (40012728)
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研究分担者 |
河内 裕 新潟大学, 医学部, 助教授 (60242400)
森岡 哲夫 新潟大学, 医学部, 助教授 (00210146)
SHIA Michael ボストン大学, 医学部, 助教授
SALANT David ボストン大学, 医学部, 教授
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研究期間 (年度) |
1996
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キーワード | p51 / ZO-1 / 蛋白尿 / スリット膜 / チロシンリン酸化 / 糸球体透過性 / 単クローン抗体 |
研究概要 |
蛋白尿惹起単クローン抗体5-1-6の対応抗原(p51)は発生時に活発に合成が行われており,成熟ラットでの合成が極めて微量であることが判明したので,生後1日令ラット腎糸球体から再度cDNAライブラリーの作製を行いCOS細胞を用いて5-1-6によるクローニングを継続した。が,まだp51の分子構造を明らかにするに至っていない。 p51の病的過程における動態検索からは以下のような知見を得た。 5-1-6静注によりラットに蛋白尿が惹起されるが、その極期においてすら、スリット膜の形態学的変化は電顕レベルでも殆ど認められない。然しp51や密着結合蛋白であるZO-1の免疫組織化学による染色性は、蛋白尿の極期に著明に減少することが判明した。Immunoblotによる検索でも、この時期のラット腎糸球体由来ZO-1バンドは減少していた。これらの結果から、p51はどうやらZO-1と密接に関連を持ち、これらの蛋白分子はスリット膜の構造を保つうえには不要かもしれないが、バリアーとしての役割を演じるためには不可欠のものであることが結論づけられた。更にタイロシンのリン酸化がこの両分子の動態に関連を有するか否かを検討したがそれを示唆する結果は得られなかった。 またin vitroでの単離糸球体によるp51の5-1-6との反応後動態検索では、蛋白尿につながると思われるp51のredistributionはNaN3で抑制されエネルギー依存性の反応であることが判明した。現在Ca^<++>や細胞骨格の動態に影響を有するagentを活用することから、蛋白尿発現機序の解明をはかりつつある。
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