研究課題/領域番号 |
08044267
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
臼倉 治郎 名古屋大学, 医学部, 助教授 (30143415)
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研究分担者 |
MATSUMOTO Hi オクラホマ大学, 医学部, 準教授
SHINOHARA To ハーバード大学, 医学部, 準教授
YAMAZAKI Aki ウエインステート大学, 医学部, 準教授
小畑 秀一 名古屋大学, 医学部, 助手 (10204273)
萩原 正敏 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (10208423)
若林 隆 名古屋大学, 医学部, 教授 (00079998)
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キーワード | 光情報伝達系 / 低角度回転蒸着 / 視細胞 / イメージング / cGMP / PDE / 光受容 / 構造解析 |
研究概要 |
本研究は光情報伝達系をイメージングすることにより、その概要を明らかにしたり,また光伝達系に関係しておこる病気(例えば網膜変性症)の成因を明らかにすることを目的として計画された国際的プロジェクトである。視細胞外節膜のカチオンチャンネルはcGMPの濃度に依存して開閉する。そして、cGMPの濃度は脱燐酸化酵素(PDE)とグアニレートサイクラーゼの活性化のバランスにより決まり、光受容興奮の連続性が保たれている。これら、情報伝達はそれに関与する分子の相互認識の連続と考えられる。分子認識は分子の構造を認識することであり、構造解析はこれらの問題を解くために必須のステップである。研究代表者である臼倉はその方法の開発に取り組んできた。低角度回転蒸着を改良し、遺伝子転写複合体の解析にかなりの成功を収めたので、光情報伝達蛋白である、PDE,やG蛋白のサブユニット構造の解析を試みた。また、共同研究者であるYamazakiはPDEが複数のcGMPを結合させていること、PDEの構成成分であるγサブユニットは少なくとも二つ以上の結合サイトを持ち、結合箇所によりPDEのcGMPに対する親和性が著しく変化することを発見した。そして、PDEがcGMPを分解するだけでなく、γサブユニットの結合部位やそのリン酸化により、cGMPを遊離し、短期的にはグアニレートサイクラーゼの活性化無しでも順応できることを示唆している。したがって、Yamazakiらにより精製された試料を基にPDEのα,β・γの各サブユニットがどのように結合しているかを分子レベルで構造解析した。そして、PDEは構造的にも形状、大きさとも異なる独特な2つの部分から成り立っていることを明らかにした。なお、γは小さいため同定が困難であった。
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