研究課題/領域番号 |
08044269
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
中野 赳 三重大学, 医学部, 教授 (60111879)
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研究分担者 |
HARTSHENE Da アリゾナ大学, 農学部, 教授
井阪 直樹 三重大学, 医学部, 講師 (30159652)
伊藤 正明 三重大学, 医学部・附属病院, 講師 (00223181)
HARTSHORNE David J. University of Arizona, Department of Animal Sciences, Professor
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | 平滑筋 / ミオシンホスファターゼ / Rho / Rhoキナーゼ / MYPT1 / MYPT2 / ミオシンリン酸化 |
研究概要 |
平滑筋トーヌス調節に関与する新しい分子「ミオシンホスファターゼ」の活性調節機構ならびにその機能を中心に検討した。 1)ミオシンホスファターゼ(MP)の活性調節機構に関する検討 MPの130kD調節サブユニット(MYPT1)が燐酸化されることによりMP活性を阻害されることが明らかになった。この燐酸化を触媒するのは、Cキナーゼ類似のキナーゼ(未同定)とRhoキナーゼであった。Rhoキナーゼのリコンビナントを血管スキンドファイバーに作用させたところ、Ca^<2+>非依存性にミオシン軽鎖の隣酸化を伴った収縮が惹起され、Rhoキナーゼが血管収縮を引き起こす重要な分子であることが確認された。 (2)ミオシンホスファターゼMYPT1サブユニットのドメイン構造解析 MYPT1において、N末端側より295番目までのアンキリンリピート構造に触媒サブユニットならびにミオシンが結合し、MP活性発現に重要なドメインが存在すると考えられた。そのC端1/3領域には、もう一つの調節サブユニットM20、Rhoや酸性リン脂質が結合し、MP活性調節機構に関与しているドメインと考えられた。 (3)ミオシンホスファターゼのアイソザイムファミリーの検討 ヒトのMYPT1は1033個のアミノ酸残基からなる分子量115kDの蛋白質で、ラットおよびニワトリのMYPT1とそれぞれ89%および83%の相同性を有していた。さらに、このMYPT1と52%の相同性を有する新規アイソフォームMYPT2もクローニングした。MYPT2は982個のアミノ酸残基よりなる分子量110.4kDaの蛋白質でその発現は心筋と脳に特異的であった。これらの遺伝子座は、MYPT1が12q15-q21.2、MYPT2が1q32.1と異なる遺伝子によりコードされ手いることが判明した。2つのアイソザイム共にN端側にはアンキリンリピート構造が、C端側にはロイシンジッパー構造が認められ、これらの構造がMP活性の発現ならびにその活性調節に重要と考えられた。
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