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1996 年度 実績報告書

樹状細胞の機能とその特殊性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 08044271
研究機関京都大学

研究代表者

稲葉 カヨ  京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00115792)

研究分担者 AUSTYN Jonat  オックスフォード大学, ナフィールド外科部門, 講師
STEINMAN Ral  ロックフェラー大学, 細胞生理免疫学部門, 教授
キーワード樹状細胞 / 抗原提示 / 細胞分化 / 機能的成熟 / 細胞間相互作用
研究概要

樹状細胞の分化成熟と抗原のプロセッシング機能を検討するため、ランゲルハンス細胞ならびに骨髄由来樹状細胞において、MHCクラスII分子とエンドソームの膜タンパクであるLamp-1(CD107a)の発現状態を共焦点レーザー顕微鏡を用いて検討したところ、未熟な細胞では両者が細胞内に共存しているのに対して、成熟した細胞ではMHCクラスII分子は細胞表面にのみ発現されており、細胞内のLamp-1とは完全に異なる分布を示すことが明らかになった。この結果は、成熟した細胞では新たなMHCクラスII分子の合成が停止されるというこれまでの報告を指示するものである。また、このような細胞の成熟には、TNFαは促進的にIL-10は特性的に作用することが示された。
一方、成熟した細胞の表面に発現されるDEC-205分子は、白脾髄T領域の樹状細胞には発現されているものの、リンパ節樹状細胞では細胞表面への発現程度は低いことが示された。しかし、特異抗体を生体に投与すると、所属リンパ節樹状細胞に特異的に取り込まれることが示された。また、この抗体で処理した樹状細胞を生体に注入すると、所属リンパ節において抗体特異的免疫応答を誘導することが明らかになった。
C型レクチンであるDEC-205分子の糖蛋白のプロセッシングにおける機能を検討する目的で、樹状細胞によって比較的容易に免疫応答が誘導されるフェチュインを用い、その提示と取り込みを検討した結果、樹状細胞はB細胞に比べて、この糖蛋白を有効に捕食することが示された。また、シアル基を除去したタンパクでは誘導される免疫応答は低く、樹状細胞による捕食程度も減少していることが示されただけでなく、フェチュインの生体内投与によって、Th2T細胞の活性化が認められたが、Th1T細胞は不活化されていることが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Young,J.W.: "Dendritic cells as adjuvants for class I restricted anti-tumor immunity." J.Exp.Med.183. 7-11 (1996)

  • [文献書誌] Frazle Akber: "Upregulation of MHC class II antigen on dendritic cells from hepatitis B virus transgenic mice by γ-interferon:abrogation of immune response defect to a T-cell-dependent antigens" Immunology. 87. 519-527 (1996)

  • [文献書誌] Ortner,U.: "An improved method to obtain murine migratory cutaneous dendritic cells." J.Immunol.Methods. 193. 71-79 (1996)

  • [文献書誌] Inaba,K.: "Dendritic cells as antigen presenting cells in vivo." Immunol.Cell.Biol.(in press). (1997)

  • [文献書誌] Yamaguchi,Y.: "Contrasting effect of TGFβ1 and TNFα onthe development of dendritic cells from progenitors in mouse bone marrow." Stem Cells. (in press). (1997)

  • [文献書誌] Steinman,R.M.: "Dendritic cells in the T cell areas of Iymphoid organs" Immunol.Rev.(in press). (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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