研究課題/領域番号 |
08044287
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
河合 康明 鳥取大学, 医学部, 教授 (70143972)
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研究分担者 |
MURTHY Gita 米国カリフォルニア大学, サンディエゴ校, 共同研究員
HARGENS Alan 米国NASA, Ames研究所, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
1996
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キーワード | 微小重力 / 脳血流量 / 頭蓋内圧 / 眼血流量 / 眼内圧 / ヘッドダウンティルト / レーザードップラー / 近赤外線 |
研究概要 |
宇宙開発が進む現在、長期宇宙滞在が人体の健康に及ぼす影響を調べることが急務となってきた。宇宙飛行士は、飛行中に宇宙酔い、頭痛、記憶の低下などを訴えたり、地球帰還後に起立性低血圧を経験することが多く、これらの症状の一部は脳血流あるいは頭蓋内圧の変化に起因すると考えられる。本研究はヒトおよび実験動物を対象として脳循環動態に及ぼす模擬微小重力の影響を調べ、その対応策を検討することを目的として行った。 1.頭蓋内圧測定装置の開発 : 1994年以来、Ames研究所のグループと共同研究を行い、超音波を用いた新しい非侵襲的頭蓋内圧測定法の開発を進めてきた。本法の原理は頭蓋内圧上昇により生じる頭蓋骨間距離の増加を精密に測定する。今回の研究では、死体の側脳室に生理食塩水を注入し、この時の頭蓋内圧を硬膜下に挿入したカテーテルにより直接測定するとともに、超音波法を用いて頭蓋骨間距離を計測した。その結果、両者の間には一次の比例関係が認められた。2.体位変換時における脳組織の酸素飽和度およびヘモグロビン量の変化:立位から背臥位に体位を変換すると、直後に脳組織の酸素飽和度は9.4%、ヘモグロビン量は4.9%増加した。3.頭蓋内圧と脳血流量の同時測定:ヘッドダウンテイルト負荷直後の頭蓋内圧上昇は、ラットでは約2mmHgであるのに対し、ウサギでは12mmHgの上昇が認められた。ウサギ脳血流量は、HDT負荷2時間までは有意な変化を示さなかった。4.眼内圧と眼血流量の同時測定:実験はウサギを用いて行い、ヘッドダウンテイルト負荷直後に眼内圧は上昇したが、その変化分は2mmHg程度であった。眼血流量は、ヘッドダウンテイルトにより約10%増加した。 動物モデルの開発は始めたばかりで、まだ確立されていない。今後さらに研究を進めて、長時間ヘッドダウンテイルト負荷した際の各パラメータの変化を経時的に観察していきたい。
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