研究課題/領域番号 |
08044306
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 共同研究 |
研究分野 |
医薬分子機能学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
中山 仁 熊本大学, 薬学部, 教授 (70088863)
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研究分担者 |
DALY John.W. NIH, 生物有機化学研究部, 部長
SCHWARTZ Arn シンシナチ大学, 医学部, 主任教授
國安 明彦 熊本大学, 薬学部, 教務員 (90241348)
國枝 武久 熊本大学, 薬学部, 教授 (80012649)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | Ca拮抗薬 / 光アフィニティラベリング / 心筋Caチャンネル / 薬物結合部位 / 新規化合物 / ドラッグデザイン / 精密合成科学 |
研究概要 |
本研究はCa拮抗薬の心筋Caチャンネル上での結合部位を、骨格筋チャンネルと対比しつつ明らかにし、得られ結果を基に国際的な共同研究により、心筋に選択性の高いCa拮抗薬の創製を目的とする。平成8〜9年度の2年間の研究で得られた知見を以下に要約する。 1.Ca拮抗薬の一つジルチアゼム型薬物1の、骨格筋Caチャンネル上での結合部位を、立体的に小さな反応基を用いた光アフィニティラベル法で明らかにした。同定した部位はリピートIVの2箇所であり、欧米のグループが最近発表したリピートIIIとIVの2箇所であるとの結論は、立体的に嵩高い反応基を用いたための誤った結果が含まれることを指摘した。 2.平面化学構造上ジルチアゼム型薬物に類似しているが、従来のCa拮抗薬にはない長期持続性をもつ新規化合物セモチアジルの光ラベル用試薬[^3H]FNAKを用いて結合部位を同定した。それはリピートIVのセグメント6を含む領域であり、従来の3つのCa拮抗薬結合部位と一部重なり合う近接した部位ではあるが、完全にはオーバーラップしていないことがわかった。薬理学的に、セモチアジルと他の3つのCa拮抗薬の間にみられるアロステリック相互作用も、この構造解析の結果でよく説明できた。 3.これに続き、[^3H]FNAKを用いて心筋Caチャンネルでの結合部位も同様の手法で明らかにできた。結果は骨格筋チャンネルと対応する領域であるが、明らかに数箇所のアミノ酸置換が認められた。これが両チャンネルに対する作用の違いの要因の一つとみなされた。
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