研究分担者 |
LATZKOVITS L A. St. Gyorgyi医科大学, 助教授
MORGAN B.Pau Wales医科大学, 医学部, 教授
LAJOS Baranyi 野依福祉村病院, 長寿医学研究所, 主任研究員 (10244542)
赤津 裕康 野依福祉村病院, 長寿医学研究所, 研究員
岡田 則子 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (20160682)
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研究概要 |
種特異的補体制御膜因子は自己細胞に対する補体反応を防いで、侵入異物にのみ補体が反応するという、自己・非自己の識別を司る合い言葉の役割を果たすと考えられる。 ヒトの種特異的補体制御膜因子としては、DAF,MCP,HRF20(CD59)などがcDNAのクローニングも含めて同定され、作用機序の解析も進んでいたが、実験動物での研究は立ち遅れていた。 我々は、ラットの512Ag(Crry)の他に、ラットDAF,MCPのcDNAのクローニングやマウスのDAF,MCP,CD59等のcDNAクローニングにも成功した。Morgan教授らもラットのCD59の他に、我々とは別の方法でラットDAFのcDNAをクローニングすると共に、それに対するモノクローナル抗体の作成にも成功した。 我々は更にモルモットのDAFやMCPのcDNAをクローニングすると共に、その遺伝子をハムスター細胞に導入発現させ、補体活性化制抑作用について解析し、Altemative spricingによって多形性を示すDAFの中で鎖長の長いものの方が補体抑制活性が強いことを示した。マウスのDAFについては、CHOに遺伝子導入して発現させたトランスフェクタントをアルメニアハムスターに免疫して、そのリンパ球をマウスミエローマ細胞株と融合させてハイブリドーマをつくり、モノクローナル抗体産生株を樹立した。 我々の作成したモノクローナル抗体やMorgan教授らの作成したモノクローナル抗体を用いて免疫組織染色を行い、ラット、マウス、モルモット等の実験動物における種特異的補体制御膜因子群の生体内における発現動態を明らかにした。更に、消化管等に炎症をおこさせることにより、DAF等の発現増強が起こることも示した。 炎症反応に関わる膜分子としてラットのC5aレセプターの遺伝子をクローニングすると共に、C3aレセプターのcDNAのクローニングについても英国のグループと共同で成果を挙げた。
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