研究分担者 |
SCHWARTZ Arn シンシナチ大学, 分子薬理研究所, 所長
SAKMANN Bert マックス, プランク医学研究所・細胞生理学部門, 部長
BEAM Kurt G. コロラド州立大学, 解剖・神経生物学教室, 教授
中井 淳一 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (80237198)
森 泰生 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (80212265)
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研究概要 |
細胞内カルシウムイオンは神経系情報伝達及びその可塑性に重要な働きをしている.近年の分子生物学の神経生物学の応用により、神経におけるカルシウム動態に関わる分子の研究が飛躍的に進歩し、機能素子として働く蛋白の機能・性質が明らかにされてきた.一方、非浸襲的検査の発展も加わり、高次脳機能に関する知識も年々増大してきている.しかし、分子的レベルでの知識と高次脳機能に関する知識の間には、いまだに大きなギャップが存在している.本研究ではこのギャップを埋めることを目標に下記の研究を行った. 電位依存性カルシウムチャネルのモデュレーションの解析をcDNAより発現させたカルシウムチャネルを用いて行い、GTP結合タンパクによる抑制の分子機構に関して新しい知見を得た.興奮収縮関連におけるカルシウムチャネルとリアノジン受容体の相互作用を,リアノジン受容体を欠く筋細胞を発現系として用いて行い,骨格筋と心筋における興奮収縮連関の特徴と差異を明らかにした.新規カルシウム透過性チャネルのcDNAクローニングを行いチャネルファミリーを得つつある.並行して組織分布の検討を現在を行っている.マウス脳スライスを用いてカルシウムシグナリングの測定を行うために,測定装置の整備を行い,併せて解析ソフトウェアの開発を行った.これまでのデータによればマウス脳のカルシウム動態は,ラットのデータにほぼ対応すると考えられ,生理的な条件でカルシウムシグナリングを測定するためには,高感度・高速の測定装置・技術を必要とする.
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