研究課題/領域番号 |
08045008
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
竹谷 和之 神戸市外国語大学, 外国語学部, 助教授 (80163400)
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研究分担者 |
アンドレス オルティス. ホセ, オルテガ・イ・カセット 研究財団客員研究員(デウスト大学), 教授
武内 旬子 神戸市外国語大学, 外国語学部, 助教授 (70236420)
東谷 頴人 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (70073343)
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キーワード | バスク民族 / エスニック・スポーツ / バスク神話 / 近代化 / アイデンティティー / 守護聖人祭 / キリスト教 / 共同体 |
研究概要 |
平成9年度は山間部におけるバスク・スポーツ調査・研究であり、スペイン・ナバラ県及びフランス・低ナバ-ルとス-ル地方の守護聖人祭、その周辺の村落やバリオにおいて調査・研究を実施した。とくに、ナバラ県北部に伝承されているボールゲーム、ペロタ・バスカのラシュアlaxoa、はヨーロッパ球戯史においても希有な古い形態を残存している。またテニス球戯史との関連で、他の地方では実施されなくなった形態が、独自のルールを保持しながらバスクの山中で今なお確認できることは、球戯の伝播・普及、残存の核をなす精神性とバスク民族との関係をひもとく重要な鍵になるものと思われる。これは形態の差異が認められても、ペロタ・バスカこそ地域に関係なくバスク全土に普及しているスポーツだからである。 球戯以外にも、前年度都市部で確認された「ガンソganso」というゲームが、フランス。スペイン国境近辺の両サイドで異なった様式で実施されており、祭りにおける意味や先後関係、社会機能などの比較が可能となった。次年度の海岸部のガンソとの比較が期待される。 研究分担者の経過として、東谷はel gran libro de la pelota(1976)に見られる球戯に関する文献を、スペイン文化との関係に焦点を絞り研究を開始している。また、昨年度とことなるバスクスポーツの調査・研究を通してバスクスポーツ文化の広がりとスペインスポーツとの比較も試みている。武内はフランスバスクの作家、フランシス・ジャムの作品を取り上げ、彼の生家や博物館を訪れるなどして、作品の背景などを考慮しながら研究を開始している。また、アンドレス・オルティス・オセスは、バスク神話でのスポーツ関連部分に注目し、問題解決に必ず身体的力が介入すること、及び球戯の起源においても他地域と相違する表現に象徴論的解釈を試みている。
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