研究課題/領域番号 |
08045008
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研究種目 |
国際学術研究
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 大学協力 |
研究分野 |
体育学
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
竹谷 和之 神戸市外国語大学, 外国語学部, 助教授 (80163400)
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研究分担者 |
アンドレス オルティス・ ホセ, オルテガ・イ・ガセット研究財団客員研究員(デウスト大学), 教授
武内 旬子 神戸市外国語大学, 外国語学部, 助教授 (70236420)
東谷 頴人 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (70073343)
ORTIZ-OSES Anders Jose Ortega y Gasset Foundation(Deusto University), Invited Investigator(Profess
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | バスク民族 / エスニック・スポーツ / 近代化 / アイデンティティ / キリスト教 / 守護聖人祭 / 共同体 / バスク神話 |
研究概要 |
本研究ではバスク民族スポーツの分布地域を都市部(平成8年度)、山間部(平成9年度)および海岸部(平成10年度)に区分し調査・研究を実施した。 都市部(主にビルバオ市やビトリア市)ではバスク経済の発展とともに、新しい価値意識が浸透しており、バスク人の民族スポーツに対する深い思い入れは希薄になりつつある。しかしスペクタクル性の高いバスクスポーツ(ペロタ)には多くの人が観戦に赴き、勝敗に賭けることにより昔ながらの「スポーツ」を維持している。形態は近代化してはいるもののバスク人のアイデンティティを確認する装置として機能している。守護聖人祭では、プログラムの中にバスクスポーツのエキシビションが組み込まれているが、これは観光としてのスペクタクルである。 山間部(スペイン・ナバラ県北部、フランスバスク東部)では都市部のような急激な変化は見られないものの、経済中心社会の影響は徐々にではあるがバスクスポーツにも及んでいる。余暇や娯楽が少ない地域ではバスクスポーツに多くの人々が集まる。これは民族スポーツが伝承されてきた自然環境の中で行われることに意味があると思われる。つまりバスクスポーツの原初形態である労働が残存している地域ではまだその価値は失せていない。労働がよく理解できるからこそより人々の関心が集中するのである。 海岸部(スペイン・ギプスコア県やフランス・ラブール地方)では動物を使用した儀礼的なスポーツが多く見られることである。とくに「ガチョウ」「アヒル」といった名称で知られているスポーツは、水、船、落下及び耐久力などが構成要素であり、参加者の勇気と「残酷性」をあわせもった内容となっている。この残酷性を除去する方法として、都市近郊の村落ではこれらの動物の代わりにボールが使用される。ここでは動物使用の本来の意味は消失し、単なるスポーツへと変容しているのである。伝統を重んじるとされるバスク人の価値基準が変化していることもここで確認することができる。 これらのスポーツに共通するのは、民族スポーツに固有の精神的側面が見られないことである。キリスト教の普及により、バスクスポーツはキリスト教文化に組み込まれているのである。
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