研究課題
1.札幌市及びユジノサハリンスク市の中高年女性各12名及び13名を対象として、心拍数記録による身体活動水準を測定した結果、いずれの群でも健康で活動的で生きていくために必要な運動強度の目安である「目標心拍数」や、「運動所要量」を充足する機会が不足しており、定期的な運動を実施しない限り日常の生活の中で体力を維持できないことが明らかになった。2.札幌市及び名寄市の高齢者を対象にライフスタイルと身体活動に関する調査を実施し、積雪期の運動不足の実態、過去の運動経験や現在の運動習慣が健康状態、社会的活動水準とも関連を示す特徴が抽出された。今後同様の調査をサハリン州でも実施してもらい、両地域住民のライフスタイルの特徴、共通点などを検討したい。3.1996年6月27日にユジノサハリンスク教育大学のパスユ-コフ教授及びシドロフスカヤ主任講師を迎え、北海道及びサハリン州における住民の水泳指導の問題と指導法に関するシンポジウムを開催した。その結果、両地域に共通する自然環境、社会経済的条件の不利に由来する住民の泳力不足、溺死事故の多発などの問題の所在、生涯健康増進の立場から効果的に水泳技術を習得させていくための指導上の課題と論点が明らかになった。4.「サハリンの北方少数民族の生活文化の伝承と学習」の研究課題について、木村が1996年11月4〜10日までユジノサハリンスク教育大学、サハリン州政府、ボロナイスク市役所、少数民族の生活文化の教育機関等を訪問調査し、少数民族の生活文化の伝承・発展の課題は、彼等が従事する地域の農林業や水産業、あるいは観光と結合した伝統工芸などの地域の内発的発展が不可欠に結合している点で北海道と多くの点で共通しており、ロシア沿海州も含めたこれらの地域の大学・研究者の学際的な共同研究が要請されていることが明らかになった。
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