研究分担者 |
SHIDLOVSKY G ユジノサハリンスク教育大学, 体育学部, 教授
PASYUKOV P.N ユジノサハリンスク教育大学, 体育学部, 教授
木村 純 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター生涯学習計画研究部, 助教授 (90153212)
所 伸一 北海道大学, 教育学部, 助教授 (50133682)
進藤 省次郎 北海道大学, 教育学部, 助教授 (80171073)
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研究概要 |
1.北海道大学とサハリン州の大学生の体力について比較調査を行った結果,体格では,男女共サハリン州の大学生が有意に大きかった.体力では,男性の場合,50m走,走幅跳,けんすいなどの運動能力でサハリン側が有意に優れ,垂直跳,踏み台昇降運動で北海道大学の学生が有意に優れていた.女性の場合,50m走,走幅跳でサハリン側が有意に優れ,ハンドボール投げ,1000m持久走,垂直跳,踏み台昇降運動で北海道大学学生が有意に優れていた.運動実施状況は,両国間に差がなく,両地域における人気スポーツの種目の違いや体力についての評価の違いなどが体力差に反映していると考えた. 2.サハリン州では,学校教育・スポーツの厳しい環境にもかかわらず,大学生までの年齢層においては肥満傾向者の割合も差がなく,スポーツ実施状況は日本と同じ程度であるが,25歳以上の成人,とりわけ中高年層における運動実施率に著しい差がある.男性の平均寿命が日本より約20年短いサハリンにおいて中高年齢層のスポーツ実施率を如何に高めるかが,住民の健康増進に大きな影響を及ぼすことが示唆された. 3.北海道大学で開催した研究交流会におけるサハリン住民の体育・スポーツ環境に関するシドロフスキーの報告,サハリンと北海道をはじめとするアジア近隣諸国の住民とのスポーツの交流についてのパスユ-コフの論文から,中高年層を対象としたスポーツを通しての健康づくり,地域の自立性,活性化との関わりなどが今後の重要な課題としてクローズアップされた.生涯学習活動を通しての住民の健康なライフスタイルの定着化やスポーツ振興による効果の検証などの縦断的な研究に発展させていきたい.
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