研究課題
平成9年度においては、タイの中等教育普遍化政策の結果を、タイのフィールドにおいて調査することと、研究総括のためワークショップを開催することがのが主たる活動であった。フィールド調査は、タイ東北部のロエット県とナコナラチャシマ県(別名、コラート県)において行なわれるた。平成8年度においても両県で調査が行なわれたが、これらの調査は主として中等教育普遍化達成状況の評価に関わるものであった。これに対して平成9年度においては、普遍化政策の成果として生じた中学校卒業生の進路問題について、調査票及びインタビューによる調査を行なわれた。加えて、近年のタイにおける就業構造の実態や、若年労働者の雇用に関する統計的資料の収集も行なわれた。次に、にこれらの研究を基に、リサーチ・ワークショップが平城9年10月28日-30日の期間で、名古屋大学大学院国際閑雅研究科で開催された。このワークショップにおいては、チュラロンコン大学より本プロジェクトの研究分担者及び関係者4名が出席し、日本国内より研究担当及び関連研究者・院生合計32名参加し、多様な観点からタイ及びアジアの中等教再普遍化の実情と、それに伴う政策的課温について討論が行われた。この研究集会の成果として、研究報告書が刊行された。結論として、タイの中等教育普遍化はほぼ計画通り進行しているが、中等教育修了者に対する進路指導体制がほとんど確立されていないこと、進路の多様性が不十分であること(希望の普通科及び職業科の高校、特に後者に進めない)、前期中等教育が、進学コースと就職コースに分化しつつあることが指摘された。
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