研究課題
フランツ・バニステンデ-ル教授(ル-ヴェン・カトリック大学)とEU委員会DG15会計基準・財務情報課長バン・フ-レ氏(ル-ヴェン・カトリック大学客員教授)がEU情報を提供した。1997年12月1日、EU加盟国大蔵大臣達は、有害な租税競争に関する今後の対策につき政治的合意に達した。欧州委員会は、コミュニケーションを1997年11月5日に公表した。それによると、(1)単一市場の歪み(その中には、有害な租税競争も含まれている)の軽減、(2)有害な租税競争による資本流出国における税収の大幅減少の防止、(3)税制を媒介する雇用促進、(4)資金移動にみられるような可動的課税ベースと比べて労働に対する租税負担が増加する傾向をリバースすること、(5)エネルギー製品課税のための枠組の再構築等が欧州レベルで取り組むべき調整行動とされた。欧州委員会は、次のパッケージを提案した。(1)事業課税の為の行動要領、(2)資本所得課税に対する歪みを除去する為の措置、(3)法人間の国際的利子・使用料の支払に対する源泉徴収税を除去する為の措置。行動要領は、事業の可動的形態に対する租税競争が経済的歪みを生じ、共同体域内の課税ベースを侵食するおそれがあるとの認識に立ち、次のことを内容とする。行動要領の対象は、域内の事業活動の場所に影響を及ぼす事業課税措置である。問題は、何が潜在的な有害課税措置に当たるかである。この点については、当該加盟国において一般に適用されるよりもはるかに低い課税(ゼロ課税を含む)を意味する。有害と判断される為には、(1)そうした租税弁益が専ら当該加盟国の非居住者に対してのみ与えられるか、(2)そうした租税便益が実質的な経済活動を伴わないで利用されるか、(3)多国籍企業群の活動に関する利益確定の基礎が国際的に承認された原則に基づき行われているか、(4)特別措置の透明性の欠如という要素が必要とされている。
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